ケトン体が増えると悪玉コレステロールも増えるの?

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ケトン体が増えると一緒にLDLコレステロールも増加!?

2017年11月12日にTBS系【健康カプセル ゲンキの時間】で「糖質制限ダイエット新常識」という内容の放送があったのは記憶に新しいですよね。

テレビ番組ではスポンサー様への配慮等で制約が多い中、糖尿病学会の山田悟医師があんなに糖質について言及なさったのは、なかなかスゴイことだと思いました。

しかし1点だけ、どうしても気になったことがあります。それは山田先生がおっしゃった「糖質が体内で減り過ぎると、肝臓がケトン体を作り出します。ケトン体の成分とコレステロールの成分は同じですから、ケトン体が増えると悪玉コレステロールも一緒に増えてしまいます」という解説です。

 

 

よっしーは糖質制限ダイエットを開始する直前の時点では、HDLコレステロールが51でLDLコレステロールが183でした。それが今ではHDLコレステロールが70、LDLコレステロールが120(直近の検査結果です)になっています。

そして、常にケトーシス(血中ケトン体がかなり増加している状態)になっています。血液検査と尿検査で確認済です。

山田先生のおっしゃったこととよっしーのコレステロール値の変化をどう解釈するべきか、今回はじっくりと考えてみることにします。

 

ケトン体合成経路とは?

 

上の図は銀座東京クリニック様のサイトからお借りしました。

ブドウ糖が充分に無い状態で脂肪酸が燃焼するとき、肝臓ではケトン体ができます。ケトン体は脳など多くの臓器に運ばれ、ブドウ糖に代わるエネルギー源として利用されます。

普通に糖質を摂取している状態では、細胞が必要とするエネルギー(ATP)は、グルコースが解糖系からピルビン酸とアセチルCoAを経てTCA回路を通って産生されます(あー…大学時代、生化学の授業が死ぬほどつまらなかったなぁ…もっと勉強しておけばよかった!!)。

 

 

一方、糖質制限ダイエット時に脂肪酸からエネルギーを産生する場合は、脂肪酸がβ酸化されて「アセチルCoA」になり、このアセチルCoAがミトコンドリアのTCA回路で代謝されてATPを作り出します。

アセチルCoAの多くはTCA回路に入りますが、ブドウ糖が少ない状況ではアセチルCoAをTCA回路で処理する時に必要なオキサロ酢酸ができないため、TCA回路が十分に回りません。

そのためTCA回路で処理できなかった分のアセチルCoAは肝臓でケトン体の合成に回されます

 

コレステロール合成経路とは?

 

上の図は脂質と血栓の医学様のサイトからお借りしました。

先ほど、ケトン体合成回路の話で登場した「アセチルCoA」が酵素により変化して、最終的には内因性コレステロールとなります(食事由来のコレステロールは外因性コレステロールです)。

なるほど、確かに山田先生のおっしゃる通り、ケトン体とコレステロールの材料は同じ「アセチルCoA」ですね。

これが「ケトン体の成分とコレステロールの成分は同じですから、ケトン体が増えると悪玉コレステロールも一緒に増えてしまいます」ということになるのでしょうか?

 

材料がたくさんあるからコレステロールが増えるとは限らないのでは?

コレステロールを作ろうとしても、なるほど材料が足りなければ作りたくても作れないのは確かでしょうね。

では逆に、コレステロールの材料が2倍3倍あれば、コレステロールも2倍3倍多く作られてしまうのでしょうか?実際、そんな単純にはいかないと思います。

体は食物からのコレステロール摂取量に応じて体内で作るコレステロールの量を調整しているのですが、何らかの原因でコレステロールの合成が促進されることが分かっています。

たとえばインスリンはHMG-CoA還元酵素の働きを促進し、コレステロールの合成を活発にします。よく「インスリンが出すぎているとケトン体が出にくい」と言われますよね?

インスリンにはケトン体の合成を抑制する働きがありますが…

 

 

実際よっしーも、風邪などで高血糖になっているときは血中ケトン体が明らかに普段よりもかなり減りました。

風邪でインスリンの効きが悪い→いつもよりインスリンが大量に分泌される→ケトン体合成抑制&コレステロール合成促進→アセチルCoAの大部分がコレステロール合成に使われる→ケトン体がぐっと減る

ひとつの理由としては、こういうことではないかな?とよっしーは思うのですが…

 

ケトン体がしっかり出ていればLDLコレステロールは増えないのでは?

ケトン体とコレステロールの材料は、確かに同じ「アセチルCoA」です。

しかし、何らかの原因によってコレステロールの合成が異常に亢進しているのでなければ、余ったアセチルCoAはケトン体になるだけであってLDLコレステロールを必要以上に上げることはないのではないでしょうか?よっしーのように。

むしろ、ケトン体をうまく作り出せない人は、余ったアセチルCoAがコレステロールになるしかないのでは…と思ってみたり。シロウト考えですけどね。

 

 

もし仮にきっちりと糖質制限ダイエットを行っているにも関わらずインスリンが出すぎてしまう状態(=コレステロールの合成が促進している状態)というのは、肥満などによってインスリン抵抗性が生じている状態が考えられます。

肥満を解消できれば、コレステロールの過剰な合成もいくらかおさまることが期待できるのではないでしょうか?

ケトン体にコレステロール…まだまだ、糖質制限ダイエットは奥が深い、難しいことだらけですね。もっと私も勉強しなければ。