糖質制限で急逝ってどういうこと??
「さーて、今日はどんな記事を書こうかな??」と思っていろいろネタを探していると、時にぎょっとするようなワードを発見しちゃうことがあるんです。
そのひとつが「糖質制限 急逝」です!急逝(きゅうせい)とは、元気だった人が突然亡くなったり、容体が安定していた病人が急変して亡くなることを指します。
なぜ「糖質制限 急逝」なんていう検索ワードで検索する方がいらっしゃるのだろうと思いつつ、今回はこのワードを利用して記事を書いてみることにしました。
おそらくですが、重度の2型糖尿病患者で初診時にすでに心臓の病変を指摘されていたノンフィクション作家の故・桐山秀樹先生のことを指しているのではないでしょうか?
桐山先生は糖質制限で20kgのダイエットに成功し、薬なしで正常血糖値をキープしていらっしゃったそうです。
ダイエット成功後はうどんやそばを召し上がったり、夕食には毎晩玄米を召し上がったり、仕事の付き合いで普通の人と同じものを召し上がる機会も多かったそうですね。
それでも体重と血糖値は正常値をキープなさっていたようですが、残念ながら心筋梗塞でお亡くなりになったわけです。
よっしーは、うどんや玄米を食べるのは糖質制限ではないと思っていますが、みなさんはどう思われるでしょうか?
以前糖質制限ダイエットをなさったことのある、心臓が悪い重度の糖尿病患者がたまたま心筋梗塞でお亡くなりになったという話だと思うのです…
先生の奥様は「このことによって世間から糖質制限が危険だと誤解されるのは故人の本意ではないはず」とあえて先生の生前の食生活について発表なさったそうです。
どんな食事療法も、目標達成したあとでやめてしまったら元通りです。桐山先生の件は、ともすれば油断しがちな患者たちへの警告となったのではないでしょうか…
糖質を食べている人が亡くなっても報道されないです
厚生労働省発表の「人口動態統計の概況」によると、平成26年1年間の死因別死亡総数のうち、心疾患(高血圧性を除く)は19万6,926人で、死因別死亡数全体の15.5パーセントです。そのうち急性の心筋梗塞は3万8,991人でした。
中にはジムで運動中や、マラソンの最中にお亡くなりになる方もいます。日本で心疾患で亡くなった19万6,926人のみなさんは生前、糖質制限ダイエットをなさっていたのでしょうか?
これまで日本ではほとんど誰も心疾患や脳梗塞にならなかったのに糖質制限ダイエットの流行によって急激に患者が増えたというのなら分かりますけど、明らかに違いますよね。
海外も含めてここ数年で若くしてお亡くなりになった方々がどのような食事をしていらっしゃったかを思い出してみてください。
中には厳格な菜食主義をなさっていた方やヘビースモーカーだった方たちもいらっしゃるわけですが、ことさらに糖質制限だけを危険だと批判するのはヘンだなと思うのです💦
よく言われるのは「食の欧米化が生活習慣病の原因です」ということです。確かに、糖質だけでも体に影響がありますが、糖質に加えて大量の脂質を同時摂取するのはもっとも良くないです。
ただそれを「糖質と脂質の連携プレイ」だとは思わずに「糖質はまったく悪くないんです!脂質だけが悪者なんです!」という事にしたがる方たちの存在が事態をややこしくしています。
現代の日本でストイックな糖質制限ダイエットをしている方なんてまだまだごく少数派でしょう?よっしーの主治医の受け持ち患者には、彼の知る限り糖質制限ガチ勢は3人しかいないそうですw
ほとんどの日本人は、普通に糖質を食べながら脂質を食べて太ったり生活習慣病になっているのが現実です。そしてそれをなぜか脂質だけのせいにしてしまっています。
自己流の糖質制限もどきで生命の危機!?
中には、おそらく間違ったやり方の「糖質制限もどき」で脳梗塞を起こしかけた方もいらっしゃるそうです。その方は中性脂肪が高値だったとか。
通常、健康体の方が正しい糖質制限ダイエットを行っていれば中性脂肪が異常に高くなることはありません。
中性脂肪が基準値より高い場合に考えられる病気は高脂血症、糖尿病、ネフローゼ症候群、膵炎、甲状腺機能低下症など。
ただ糖尿病患者であっても、糖質制限を正しく行っていればほとんどの方はよっしーのように中性脂肪は正常値になっているはずです。
糖質をしっかり摂取してインスリンが分泌されると、その作用により余った糖質はすべて中性脂肪になります。
また果物に含まれる果糖はブドウ糖ほど血糖値を上げませんが、中性脂肪に変わりやすいです。アルコールも中性脂肪値を高くする原因となります。
血液検査の中性脂肪の値は直近の食事の影響を受けますので、正確な数値を得るためには10時間以上絶食してから検査を受ける必要があります(よっしーはいつも食後に受けてますがw)。
糖質制限しているはずなのに中性脂肪が正常値をオーバーして高すぎる方は「糖質制限は危険だ!」と騒ぐよりもまず原因を探してみたほうがいいんじゃないでしょうか?
トンカツ(衣にかなり糖質がある上、外食ではどんな油を使用しているか心配)なら好きなだけ食べていいと思い込んでいたり、糖質オフなお酒なら好きなだけ飲んでいいと思い込んでいたり。
またトランス脂肪酸が動脈硬化を促進させるので、いくら糖質オフでも市販のブランパンなどをあまりにもしょっちゅう食べ過ぎないほうがいいかもしれませんね。
40年以上前から糖質制限を続けている医師がいます♪
桐山先生の件のようにたった一人の例を挙げてあーだこーだと言うことが許されるのなら、よっしーもアメリカのバーンスタイン医師を紹介したいと思います。
バーンスタイン先生は12歳のときに1型糖尿病を発症し、当時アメリカで標準的に行われていた指導(糖質45%の低脂肪食とインスリン注射)に従っていてどんどん悪化しました。
そして自ら編み出した糖質制限(朝食の糖質6g以内、昼食と夕食の糖質12g以内、インスリン注射はなるべく少量で済むようにする)をもう40年以上継続していらっしゃいます。
この記事を書いている時点で先生は84歳、今も医師として活躍していらっしゃいますよ。某糖尿病クリニック勤務の糖尿病療養指導士の女性は「バーンスタインは心筋梗塞で亡くなった」と勘違いされていましたが💦
身近に糖尿病患者がいらっしゃる方であれば、発症してから72年経っている患者が糖尿病合併症もなく元気に暮らしているというのがどれだけスゴいことか分かるはずです。
糖質制限ダイエットは、やるならきちんとバーンスタイン先生なり江部先生なりが書かれた本を最低でも1冊は読んできちんと勉強してから始めてください。
時には医師ですら「糖質制限で体調を崩した!」と大騒ぎすることもあります。あるいは不幸なことに、その方がたまたま先天的に糖質制限してはいけない病気をお持ちだったのかも。
テレビやネットの情報は、何かの商売をしている方が意図的に流していることもあるので鵜呑みにするのはどうかと思います。
大事なのは、すぐ信じるのではなく実際に自分でやってみて確かめてみることです。そうすれば「糖質制限が危険」かどうかは分かりますから♪