西郷どんはびっくりするほど大男だった!
みなさん、NHK大河ドラマ「西郷どん(せごどん)」観ていらっしゃいますか?よっしーは何年も前からずっと「今年こそはNHK大河ドラマを最後まできちんと観よう」と思いつつ、すぐに飽きて見なくなる…という有様でした。
でも「西郷どん」はすごく面白いですね~!子役さんもすごく良かったです。子どもたちも珍しく観ています。これからも観よう♪
さて西郷隆盛さんは、日本人の平均身長がかなり低かった(男性155cm・女性145cmぐらいだったとされています)時代において、なんと身長が180~182cmもある大男だったそうなのです!
たまたま西郷さんだけが大きかったのかと思いきや、同じく薩摩藩の大久保利通は身長178~183cmだったと言われています(諸説あり)。
現代でも、日本人で身長が180cm以上あれば大きい印象がありますよね。当時はかなりインパクトがあったのではないでしょうか?
しかし現代の都道府県別平均身長を見ると、特に鹿児島県の方たちが大きいわけではありません。むしろ低いほうです。だから「遺伝子が違うのだろう」という説はちょっと考えにくいです。
今回は「なぜ西郷どんは背が高かったのだろう」という素朴な疑問について、当時の食生活から考えてみようと思います。
身長に影響を与える要因には何があるでしょうか
子供の頃は小柄な子でも、成長期以降ぐっと伸びて長身になる人がいます。また、お父さんより背が低い男の子もいれば、きょうだいのなかで1人だけ背が高い子もいたりします。
では、成人後の身長を決定付けるものはいったい何なのでしょうか?
多くの方は「遺伝」と答えるでしょう。正直、遺伝はかなり関係があるはずです。まだはっきりと解明されていないことも多いようですが、一卵性双生児は身長も体重もほぼ同じぐらいになることが多いです。よっしーも何組か一卵性双生児を知っていますが、見事にそっくりです。
これが単に「同じ家で同じ食事を食べているせい」だとしたら、双生児だけではなく普通の兄弟も身長は同じぐらいになるはずです。でも、そうではないですよね?やはり遺伝の影響は大きいと言わざるを得ません。
しかし、背が高くなる遺伝子を持っているからといって、必ずしも長身になるとは限らないようです。何らかの後天的な原因により、本来伸びるはずの身長まで伸びきらないということは多いようです。
遺伝子というものは短期間で劇的に変化することはほぼありません。江戸時代の日本人の平均身長は現在よりもかなり低かったですが、この変化は遺伝子では説明が出来ません。
昔の日本人は、何らかの後天的な原因により遺伝子の持つ限界まで身長が伸びきらなかったのでしょうね。
身長が伸びなくなる原因は、病気(成長ホルモンの分泌異常など)・夜更かし・過度のストレスなどの他、食事の影響が大きいそうです。では、食事について考えていきましょう。
身長を伸ばす食事とは?
昔から「しっかり食べないと背が大きくならない」と言いますよね。でも、とにかく何でもいいからたくさん食べればいいのでしょうか?
食事の内容によっては、タテには伸びずにヨコにばかりどんどん大きく成長している子どもも見かけます。これは親としてはとても心配なことですよね。
低身長で悩んでいるお子さんたちを多数指導しているクリニックのサイトに記載されている内容をいくつか紹介させていただきます。
背が伸びるための栄養としては、タンパク質が重要ですので、食事の中のタンパク質の割合を多く摂るように心がけてください。ビタミンやカルシウムなどもバランスよく取る必要は有ります。(たなか成長クリニック様のサイトより引用させていただきました)
タンパク質は骨や筋肉などの材料になります。また、タンパク質には成長ホルモンの分泌を促す作用もあります。戦後の日本人の平均身長は、タンパク質の摂取の増加に比例して伸びてきました。(ぬかたクリニック様のサイトより引用させていただきました)
タンパク質とカルシウムが不足すると、身長の伸びが悪くなります。(野瀬クリニック様のサイトより引用させていただきました)
…いかがでしょうか?身長を伸ばすためにはカルシウムばかり重視されがちですが、実は骨のメインの材料となるのはタンパク質です。カルシウムばかりいくらせっせと補充しても、マグネシウムと摂取量のバランスを取らなければムダになると言われますし、タンパク質が不足しているようでは背が伸びることはありません。
はっきりいって、身長が低くても生命には支障がないですもんね…まず生存のために絶対に必要なことにタンパク質が回されるので、背が伸びるとか美肌だとか髪がつやつやしているとか、そういう「とりあえず無くてもいいもの」は後回しになってしまいます。
ちなみに上のクリニックの先生方によれば、病気が原因で背が伸びないお子さんはあまり多くないそうです。病気の場合は成長ホルモンを補うなどの治療法がありますけど、病気でない場合は食事をまず改善するしかないそう。
薩摩藩の人たちの食生活
日本の歴史において、もっとも身長が低かったのは江戸時代だったそうです。下のグラフはタニタからだカルテ様のサイトからお借りしました。
なんと、縄文時代よりも江戸時代のほうが背が低いですね~。縄文時代は狩猟採集で、必ずしもいつもお腹いっぱいになるほど十分な獲物をGETできたとは限らなかったでしょうに、それでも江戸時代のほうが背が低かったのですね。
もっとも背が高かったのは古墳時代でした。その後、仏教の精進料理が広まり庶民がなかなか肉食することができなくなるにつれて、どんどん身長は低くなっていきました。
そして第二次世界大戦後、食生活が「欧米化」した途端に平均身長も、それから平均寿命もぐぐっと伸びたのです。
江戸時代には「米を1日5合も食べていた」なんて話もありますね。残念ながら、米ばかりでは背は高くならなかったみたいですね。またビタミンB1不足により多くの方が脚気にかかりました。
もっとも、江戸の人々も肉を「これは薬である」と称して少しは食べていたらしいですが、圧倒的に足りなかったのでしょうね~。
しかし薩摩藩の人々は、当時としては珍しく豚肉をしっかりと食べていました。薩摩は火山灰が堆積した土地で、米作りにはあまり向かない土地だったそうです。
ドラマ「西郷どん」の中にも、西郷さんが「農民たちは自分が栽培したコメの味も知らない者が多い(ちょっとしか収穫できないのに、全部年貢として持っていかれてしまうから)」というようなセリフがありましたね。
でもサツマイモ栽培にはぴったりだったので、人々はサツマイモとそれを食べて育った豚の肉をよく食べていたそうです。豚肉にはビタミンB1が豊富なので、薩摩の人々はほとんど脚気にはかからなかったとか。
サツマイモは糖質が多い食品ですが、同じ量のお米と比較するとビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富です。西郷どんたちの長身のヒミツは、この食生活にあったのかもしれませんね。
そして昔の薩摩藩では、米の栽培に適さない土地だったので人々はあまり米を食べることが出来なかったでしょう。戦後は日本のどこに住んでいても、ほぼ食事内容の差はなくなりました。
子どもたちに優先して食べさせるべきモノは何か?
子どもの身長をなるべく高くしたいと願うお母さんはきっと多いでしょう。特に、ご両親ともに小柄な場合は切実かと思います。
もちろん遺伝子による限界はあるにせよ、なるべく子どもの身長を伸ばしたいのなら、まずご飯やパンだけでお腹いっぱいにしてしまうことだけは避けてください。お菓子ばかり食べて満足に食事がとれないなんていうのは論外です。
タンパク質の多いおかずから優先的に食べさせ、ビタミンやミネラルも不足しないように気を付けてあげてください。わが家では肉と野菜の炒めものや卵焼き、チーズ、魚、納豆などを優先して食べさせています。
一般的なお子さんと比べると子どもたちの糖質摂取量は少ないですけど、問題なく成長していますよ。今が成長期真っ盛りの中学生の息子はこのごろ、1か月に1cmのペースで身長が伸びており「どこまででっかくなるんだろう…(´・ω・`)」と逆に心配になるぐらいです。制服の買い替えとか…ああ、お金がかかってしょうがないっっ!
そして、あまり早いうちから夜遅くまで追い立てて勉強させすぎると、ストレスと睡眠不足で成長ホルモンの分泌が悪くなります。糖質の多いものを食べて血糖値が高いまま寝るのも、成長ホルモンの分泌を悪くするそうです。インスリンと成長ホルモンは拮抗ホルモンですので…
タンパク質豊富な食事をしっかりと食べさせてあげて、勉強は短時間で集中してさせ、後はあれこれうるさく言いたいのをぐっとこらえて子どもの成長を見守りましょう♪
子どもの食事についてもっと詳しく知りたい方は、三島塾の三島学先生の著書がとても参考になります。ぜひ読んでみてくださいね。