食べたいキモチをカロリーゼロ食材でごまかす?
たくさんのダイエット方法がありますけど、「食前にカロリーゼロorほぼカロリーゼロに近い食材を食べてお腹をいっぱいにして他の食材の食べすぎを防ぐ」ダイエットは多いです。
たくさん食べたいけど、食べたいものをしっかり食べるとカロリーの摂りすぎで太るのでカロリーゼロの食材でお腹をいっぱいにしてしまおうという作戦ですね。
これ理屈としては理解できるんです、若い頃はよっしーもコンニャクを食べたりボウル1杯の野菜サラダを食べたりしていましたから。
ただ、この方法って「お腹いっぱい食べたい」という欲望を低カロリー食材でごまかしていることになるので苦しくありませんかね?
コンニャクが大好きで仕方がない方がコンニャクをお腹いっぱい食べれば、心から満足できるでしょう。
でも、本当はあまり好きではないのに「肉を食べたい」という思いをコンニャクで満たそうとしても、いつかキレてドカ食いしてしまうかも…
人間の食欲はかなり複雑なものです
動物はお腹がいっぱいになるとエサを食べませんが、ヒトの場合は食欲は脳に左右されることが珍しくありません。
つまり気分によって食欲がなくなってしまったり、胃袋は満たされているのに脳が目の前の食べ物を強烈に欲しがったりすることもあるんです。
だから、それほど好きでもない低カロリー食材でいくら胃袋をいっぱいにしても、脳は満たされておらず満足していないこともあるわけです。
だから本当は、その人が大好きで食べたいと思うものを自由に食べることがもっともストレスがたまらない方法に違いありません。
ただし、その人が好きで食べたいものが健康に良いものとは限らないですよね?お酒が大好きな方がお酒ばかり飲んだら間違いなく健康を害します。
体に良くないものを食べたくてたまらない場合、無理にそれをガマンしようというよりは「自然に体に良いものを食べたいと思うように自分を変えていく」ことを考えなければ。
ヒトの体を構成する成分は、水分以外ではまずタンパク質、そして脂質、ミネラルも。自分の体を作る材料となるものをまず優先して食べるべきだと思います。
もしタンパク質や脂質を多く含む食品が嫌いで糖質ばかり食べたくてたまらないとしたら、なぜそうなってしまったか原因を考えて対策していかなければ…
本当は肉の脂身を食べたくてたまらなかったのです
小学生の頃、ポークソテーの脂身の部分を食べると母から「そこは体に悪いからダメでしょ」と注意されたことがあります。
それで糖尿病と発覚するまでずーっと脂質制限を続けて、鶏肉の皮をはがして捨てたり豚肉の脂身をカットして捨てていました。
でも本当は食べたくてたまらなかったんですよね…そりゃそうです、脂質はヒトの体にとってとても重要なものですから。
自分は糖質中毒だと思っていましたが、本当は脂質を食べたかったのを「体に悪いから…」と無理やりガマンしていただけで、実は自分で思っていたほど糖質中毒にはなっていなかったのかも?
糖尿病が発覚して糖質制限を開始した時、お米が食べられないことに対して意外に辛さは感じませんでした。
それは、今までずっと我慢してきた高カロリーの脂身つきの肉を食べても良いということになった満足感のためだったのかもしれません。
体に必要なものを食べる前提でのカサ増しなら良いが…
健康的なダイエットのためには、ヒトの体にとって絶対に必要なものをまず優先的に摂取する必要があります。
ヒトの場合、絶対に必要だが体内で合成できないアミノ酸や脂肪酸がいくつもありますし、ビタミンCも体内で合成することができないのです。
だから肉や魚、卵などのタンパク質食品と一緒に野菜も食べる必要があります。ヒトは肉食寄りの雑食動物なんです。
大食漢の方が食べすぎを防ぐため、まず肉や魚を必要な量食べて足りない分を野菜やコンニャクでカサ増しするのは大いに結構だと思います。
でも、こういうものばかり食べてお腹がいっぱいになって栄養のあるものを十分に食べられないとしたらこれは問題ですよね。
カロリーはゼロ、そして栄養もほぼゼロに近い食材もありますから…カロリーの辻褄さえ合わせればそれでいいというものではありません。
栄養不足の状態では体脂肪と一緒に筋肉も落ちるので体重は短期間でドサッと落ちますが、これではとても健康的とは言えません。
カロリーゼロorカロリーゼロに近い食材はあくまでも「カサ増し」であって、それを通常の食事と「置き換え」ることはお勧めできません。
コンニャクの食べすぎに注意!
コンニャクに含まれるグルコマンナンという食物繊維は、人間の消化酵素で分解できません。よく噛まないと塊のまま腸まで行き、腸に詰まってしまうことがあるんだそう!
そして腸閉塞を起こして、ひどい場合は手術をしなければならないこともあります。腸閉塞までとはいかなくても、便秘がかえって悪化することもあります(経験済)。
コンニャクに限らず、ブランパンや糖質ゼロ麺なども食べすぎると腸に詰まってしまう可能性があります。くれぐれも気を付けてください。
ちょっと物足りない時にカロリーの低い食材でカサ増しをするのは良いのですが、あくまでもこれは補助にすぎないということを忘れないようにしましょう。
そして、まず体が必要としているものを優先的に食べるように心がけましょう。体にとって必要なものを食べたいと感じる状態が、健康な状態なのです。