糖質を制限しすぎているからイライラするの?
「糖質制限ダイエット中にイライラしてしまうのは、糖質を制限しすぎて糖質不足になっているのが原因だから適度に糖質を摂りましょう」という意見をよく見かけます。
なるほど、確かに糖質が大好きな人が糖質制限を始めればイライラするのも当然かもしれませんね。禁酒や禁煙を始めた人たちと同じで…
でも、本当に「糖質不足」になっているんでしょうか?低血糖になっていれば確かに糖質不足と言えるでしょうけど。
健康体の方が正しい糖質制限ダイエットを行っても、肝臓や腎臓で「糖新生」によって糖が作られるので低血糖にはなりません、したがって糖質不足にはなりません。
でも…身体的に糖質はそれ以上必要なくても、どうやらある方たちでは「脳」が必要以上に糖質を求めてしまうようなのです。
そのことを「日本人が糖質制限ダイエットをすると体に合わないからイライラするんですよ」なんて言われると「そうかもなぁ」って思ってしまいますね💦
「ストレスは良くないから、我慢しないで食べようっと♪」なんてことになり、マンガの2人みたいなことには決してならないでね。
糖質や甘い物には強い依存性があり、いつも食べていると同じ量を摂取しても脳の快感が次第に小さくなります。
そのため、快感を得るためにさらに摂取量を増やすようになります。さらに、それが体内に入ってこなくなると不安症状やイライラ感などの不快な気分が生じるんだそう。
つまり「糖質制限ダイエット中にイライラしてしまうのは、糖質を制限しすぎて糖質不足になっているのが原因だから適度に糖質を摂りましょう」というのはこういうこと。
たとえば禁煙を試みて禁断症状に苦しむ人に対して「あなたがイライラするのは、タバコを制限しすぎてニコチン不足になっているのが原因だから適度に吸いましょう」と言うようなものです。
タバコやお酒の中毒に苦しんでいる人たちの場合、何とかその辛さを乗り越えて心身の健康を取り戻そうと考える人は多いのに、なぜか糖質はそうではないと思われがちなんですね。
誰かが禁煙しても「タバコ会社の人の気持ちを考えろ!」なんて誰も言わないのに、糖質制限するといろいろ言われるのはどうしてなんだ?
そうねぇ…まだまだ世の中が変わるためには時間が必要なんじゃないかしら。
私(よっしー)は糖質中毒からどう抜け出したか?
よっしーは昔は間違いなく糖質中毒だったはずです。主食(玄米ご飯)のない生活なんて考えられませんでしたし、週1回ぐらいサブウェイで低カロリーサンドイッチを買ってました。
清涼飲料水は体に良くないと思ったので極力避けるようにしていましたけど、その代わりイモや主食系はしっかり食べていたんです。あと果物はヘルシーだと思ってました。
糖尿病で入院する直前まで、息子たちのために手作りの「油脂類を一切使用していないパン」を焼いたりしていました。なにしろ「脂質=悪」と思ってたので。
本当はね、糖尿病と宣告される何年も前から「糖質制限をしたほうがいいんじゃないかな…」と薄々思ってはいたんですけど、糖質大好きなのでどうしてもできませんでした。
でもあんなことになってしまい、16日間も入院することになってしまったんです。今まで自分がやってきた食事が、自分にはダメだったということを認めざるを得ませんでした。
病気のことですっかり落ちこんでしまい、こうなると病院食のご飯を食べてもちっとも美味しいと感じられなくなりました。
その後、主治医の許可を得て糖質制限を始めましたが、特に苦しみもなく、あっさり移行できたんです。
よっしーは自分で思っていたほどは糖質中毒ではなかったか、あるいは理性が中毒に勝った…ということなのかしら?とにかく、良かったです。
糖質中毒から抜け出したい!という方へ
糖質中毒から抜け出すには、ただ気合いを入れてエイッと糖質をカットしてしまえばいいというものではないと思います。
これまで糖質の他にタンパク質のおかずも比較的きちんと食べていた方(よっしーもそうかもしれない)であれば、極端な栄養不足にはなっていないんです。
でも、ロクに肉などを食べずに糖質ばかりに偏った生活をしていた方がいきなり糖質制限をすると、さまざまなトラブルが起こりやすくなるみたい。
長年タンパク質が極端に不足していた方は、肉を消化する酵素も不足してしまっているので、肉が足りていないのに肉を食べることができない状態になっていることも。
また鉄分不足だと糖質を分解することでしかエネルギーを得ることができないので、糖質制限するとヘロヘロになってしまいます…
まずは必要に応じてビタミンやミネラルのサプリメントやプロテインなども上手に活用しながら、長年の栄養不足を少しずつ解消するために食べましょう。
そしてきちんと肉を食べられるようになってきてから糖質制限をしたほうがいいと思います。肉を食べられない状態では危険です。
農耕開始以前の人類は小さい時からずーっと糖質制限的な食事をしているので、このようなトラブルは起こり得なかったのでしょう。
でも、ある時期までずっと糖質漬けで生活してきて、ある日突然食事をがらりと変えようとしてもうまく適応できないことは珍しくないのかもしれません。
ヘビースモーカーが禁煙すると禁断症状で体調が悪化し、また吸うと体が楽になるそうですが、だからといってタバコは健康に良いわけではありませんよね。
糖質制限ダイエットをスムーズに行うために
個人的には、糖質制限ダイエットを始めた時よりも朝食と夕食をプロテインドリンクに置き換えるダイエットをしたときの方がはるかに辛く、イライラしたものです。
だって、食事はこのドリンクだけ??でもこれも目標達成までのガマン・ガマン・ガマンなのよっ!!と必死に自分に言い聞かせたんです。
糖質中毒が深刻な方は、糖質制限ダイエットを行うことがこれと同じぐらい…いえ、もっと辛いのかもしれないと思います。
糖質制限というと何か日本人らしくない特殊な食事と思われるかもしれませんが、縄文時代の後半までは日本人もまったくお米を食べていなかったんですよ?縄文時代は1万年も平和に続いた時代でした。
そのためたった数日で「私の体質には合わないみたい」とやめてしまう方がかなり多いのは残念だなぁと思います。せっかく頑張ろうとなさってたのに…
まずは栄養不足の状態を解消することを考えるといいですね。それと念のため、脂質をうまくエネルギーとして利用できない病気が隠れていないか診てもらうとさらに良いです。
糖質制限ダイエットを開始してストレスでイライラするとしても、その真の原因がいったい何なのか、それは乗り越えていけるものなのかそうでないのか…をよく考えましょう。
「日本人だから」って言葉にすぐ惑わされないようにな!
そうよ、私だって日本人でお米大好きだったけど糖尿病になったので今はまったく食べないわよ。