砂糖と脂肪は見た目全然違うから大丈夫??
「砂糖はそう簡単に体脂肪になったりしない。砂糖と脂肪は全然違うものだから」「中性脂肪になりやすいのは、砂糖なんかより、食べ物に含まれる脂質に決まっています」という話を聞いてびっくりしました。
…確かに、見た目からして砂糖と脂肪はまったく違いますよね。でも、ほとんど脂肪を摂取しなくても体脂肪が増えるのは、油抜きをしていても太っている人がいることからも明らかです。
糖質で太ることは、じつは簡単です。糖質と脂質を同時に大量に摂取すると効率よく太ります。逆に、脂肪「だけ」食べて太っている人はいますか?
よっしーを含め、正しく糖質制限ダイエットを行っている方のほとんどは中性脂肪は正常値ですよね。糖質制限開始前は脂質制限していたのに高脂血症と脂肪肝でした!
なんとなくイメージだけで「脂肪を食べると脂肪が増えるに違いない!」と言うのはいかがなものかと思います。
「小鳥が赤い実を食べたら、体が赤くなる」みたいなものですね。あ、フラミンゴは赤色の色素を含むエサを食べるから体がピンク色になるそうですがw
脂質も食べすぎれば確かに太りますが…
よっしーの個人的な考えですが、脂質と言えども食べすぎればある程度太ります。そうでなければ、大昔のヒトは飢餓に備えることが出来なかったでしょう。
なんといっても縄文時代以前はまだ農耕が行われていませんでしたし、当時の果物は現在のように品種改良された甘い物ではありませんでしたし、清涼飲料水もお菓子も無かったです。
糖質と一緒に脂質を摂取すると、インスリンの働きで余った脂肪も糖質もほとんどが中性脂肪に変わります。
しかし糖質と一緒に食べずに脂質だけいくら摂取しても、極端に太るのはまず無理だと思います。そこまで大量に脂質を摂取するのは現実的には無理と言うべきか。
ぽっちゃり体型ぐらいなら可能ですが、ストイックな糖質制限ダイエットをしながら相撲取りになるのはまず無理でしょうね…
よっしーの知人で体重が3ケタありそうな方たちはみんな、ご飯やラーメンやパンなどの糖質が大好きな方ばかりです。糖質の力を借りないと、そこまで太ることはまず無理です。
テレビのダイエット番組でその人がなぜ太ってしまったかを再現したVTRがよく流されますが、どの方も必ずご飯やパンやコーラなどが大好きなはず。
「私はご飯は大嫌いでまったく食べないけどステーキだけを食べて体重が3ケタになりました」という方は1度も観たことがありません。そうでしょ?
本来、ヒトは脂質を必要以上に摂取しても体にとって必要な量以上は吸収されずに排泄されるような仕組みになっているのだそうです。
でも、脂質と一緒に糖質を摂取するとその仕組みが正常に働かない上、インスリンの働きで太りやすくなってしまうのです。
ヒトの歴史は飢餓との戦いの連続だったので、飢餓に備えてぽっちゃり程度の体型まで太ることは役に立つことだったのだと思います。特に妊娠出産できる年齢の女性は。
でもぽっちゃりを超えて高度肥満の状態になると、明らかに健康に良くありませんよね。精製された糖質を大量に摂取するようになった現代では、必要以上に簡単に太ることができてしまいます。
ブラックボックスの中を覗いてみましょう
多くの方はなんとなくイメージで、脂肪を食べると体脂肪になると思っていらっしゃるかもしれません。
でも実際はそんなに単純なことじゃないんです。下のブラックボックスの図を見てください。三角が脂肪、円が糖質だと思っていただければ…
脂肪が脂肪になるような気がするけど、実際は糖質が脂肪に変わるという事、そして糖質と脂質を一緒に摂取するとさらに大量の脂肪が出来るんです。
このブラックボックスの中身はそう簡単な仕組みじゃないんですよね。単純に「今日は1500kcalの食事を摂取してジムで運動して基礎代謝とあわせて合計2000kcal消費したから差し引き500kcal分の体脂肪が消えるはずだ」、なんて計算通りにはいきません。
「糖質と脂質を一緒に摂取するのが良くないのなら、私は脂質抜きをして糖質はしっかり食べるわ!」と思われるかもしれませんね。
でも脂質はホルモンの材料にもなりますし、体内で絶対に必要だがヒトの体内では合成できないので必ず食事から摂取しなければいけない脂肪酸と言うものが存在します。
つまり完全な脂質抜きと言う食生活はヒトは絶対にしてはいけないんです。でも糖質と脂質を一緒にしっかり摂取するのは健康に良くない…それではどうしたらいいのか分かりますよね。
糖質を食べても、太らないことは可能ですが…?
糖質を食べても痩せすぎと言えるぐらい痩せている人はたくさんいますし、独身時代のよっしーのように糖質摂取量に見合っただけの運動をしていれば太ることはないでしょう。
ただし私は、運動していて太らなかったのに妊娠したとたんに妊娠糖尿病になりましたけどね。単に太らないことと健康の問題は分けて考えなくてはいけません。
糖尿病に関して言えば、太るとインスリンの効きが悪くなるので肥満は確かに良くありません。しかし痩せていても生まれつきインスリンの分泌能力が低いこと自体はどうしようもありません。
日本人で痩せている人の中に糖尿病になる人が意外に多いのは、ひとつの理由としてインスリンを分泌する能力が低いからでしょうね。
インスリンは別名「肥満ホルモン」と呼ばれるホルモンなので、生まれつきインスリンを分泌する能力が低い人は糖質を食べても太りにくいですが糖尿病にもなりやすいです。
いわゆるメタボ体型の方は健康に関して周囲からいろいろ言われることが多いと思いますが、逆に痩せている人はそれだけで安心してしまって体に悪い習慣をやめようとしない方が多いです。気を付けましょう。
とってもヘルシーに思える果物ですが実は…
「中性脂肪になりやすいのは、砂糖なんかより、食べ物に含まれる脂質に決まっています」と書いてありましたが、実はもっとも中性脂肪になりやすいのは果物に含まれる果糖です。
このことは昨日実家で見つけた30年前の医師向けに書かれた糖尿病の本『糖尿病ワンポイントアドバイス』にもはっきりと記述がありました。
なんと、日本でもかなり昔から医師達には分かっていたことだったんですね!ビックリです。しかも果糖は糖尿病患者の動脈硬化を急速に進行させるそうです。
果糖はインスリンを分泌させることなくダイレクトに中性脂肪に変わります。なので、食べても案外血糖値は上がらない場合もあるのですが、食べすぎれば太ることになるでしょうね。
しかも果物に含まれる糖質のすべてが果糖というわけではないので、食べればインスリンはある程度分泌される上、果糖の分は中性脂肪に変わることに。
果糖はブドウ糖の10倍もAGEs(最終糖化産物)を作りやすく、AGEsは動脈硬化・糖尿病合併症・シミ・シワ・骨の老化・白内障などの原因になるそうです。
果物が大好きだったよっしーには、この事実は最初とても受け入れがたいことでした。今では嗜好品として、果物は量を考えてちょっぴりだけ頂くようにしています。
まとめ:見た目にうっかり騙されてはいけません
たっぷり脂の乗ったお肉を食べると、いかにも自分のお腹もそれとおなじようになるような気がしますよね。
でも実際はそうではありません、お肉は糖質と一緒に食べるからこそ体脂肪になるのであって、肉「だけ」でお相撲さんのように太るのはまず無理です。
サシが入った美味しいお肉ですけど、牛さんたちはどうやって太ったのでしょうか。彼らはバターや肉を食べて太ったのではなく、穀物や草をメインに食べていました。まぁ牛は草食動物ですからね…
また「脂肪を食べると体脂肪になるのではないか?」というイメージは容易ですけど、お米や砂糖や果物を見てそれらが体内で体脂肪に変わる場面を想像するのはなかなか難しいものです。
「砂糖と脂肪は全然違うものだから砂糖はそう簡単に体脂肪になったりしない」なんていうのは、とんでもないことです!どうか見た目のイメージにうっかり騙されないようにね。