お米は栄養たっぷりなのに…?
先日ちょいと小耳にはさんだ話ですが「お米は栄養たっぷりなのにそれを食べないとはけしからん」と…
よっしーは重度の糖尿病患者であり、お米が栄養たっぷりだろうとそうでなかろうと関係なく糖質制限をするしかないわけですけど、本当にお米が栄養価の高い食品なのかどうか感情を抜きにして調べてみることにしました。
今この記事を読んでくださっている方の中にも「本当は少しはお米も食べないといけないんじゃないかしら…」と思っている方は少なくないはずです。
どうか、今回の記事を読んでスッキリしてくださいね♪
お米の栄養価を他の食材と比較してみた
ではさっそくいきましょう。栄養価のデータはすべてカロリーSlism様のものを採用しています。画像もカロリーSlism様のサイトからお借りしました。
白米茶わん1杯は、約150gです。よっしーが糖尿病で入院していたときに病院で出された食事のご飯が毎食150gでした。で、白米ご飯150gの栄養価がこちらです。
お米中心の食生活では、ビタミンB群や鉄分が不足してしまいそうです…昔白米ばかり食べていた江戸の方たちが多く脚気にかかり「江戸わずらい」と呼ばれたのも納得です。
また食物繊維も、イメージしていたよりずっと少ないんですね。ご飯茶わん1杯でたったの0.45gしかないとは。ちなみにローソンのちっちゃなブランパン1つで食物繊維は5.5g摂取できます。
それでは、ご飯150gとほぼ同じカロリー(252kcal)に量を揃えた他の食材はどうでしょうか?まず、卵252kcal分(卵3個ちょいに相当)の栄養価はこちらです。
卵にはヒヨコが生まれるのに必要な栄養がすべて詰まっているだけあって、かなり栄養豊富ですね!卵にはほとんど糖質が含まれていないというのも興味深いです。
ニワトリの子どもが生まれる過程では糖質は必要ないのに、ヒトの子どもだけは違うでしょうか?ヒトっていつからそんなにひ弱な生き物になってしまったんでしょうね。農耕が開始される前のヒトの妊婦さんは、どうしていたんだろうなぁ…
今度はお肉です。豚かたロース肉99.5gでちょうど白米ご飯150gと同じ252kcalになりますけど、その栄養価がこちらです。
お肉100gなんて、ペロリと食べられてしまう量ですよね。息子たちは「いきなりステーキ」に連れて行くと300g食べちゃいますよ。
豚肉はビタミンB群や亜鉛が豊富ですね。ビタミンB群は体内でさまざまな働きを行っていますし、子どもの食事に亜鉛が不足すると成長障害(身長の伸びが悪くなる)などが起こります。
カリウムは野菜や果物に豊富に含まれているというイメージがありますけど、肉類にもかなり豊富に含まれているんですよね。白米にはわずかしか含まれていません。
残念ながら、栄養学的にはどうしてもご飯を食べなければいけない理由は見つからないようです。肉や卵からではダメでどうしてもご飯からじゃないと摂取できないものって「糖質」ぐらいです。食物繊維は白米には少ないですしね…
糖質に関しては、糖新生機能に異常がない健康な方であればわざわざ大量に経口摂取する必要がないことはすでにはっきりしています。
特殊な病気の方で糖質を数時間おきに摂取しないと生命に危険が及ぶ状態になる方もいらっしゃいます、そのような方の場合はどうしても糖質は必要です。しかし、多くの方はそうではありません。
嗜好品としてのお米
お米などの糖質の大量摂取は栄養学的には多くの方にとっては必要ではありませんが、それでも大多数の方がどうしてもお米を食べることをやめられないのはなぜでしょうか?
それは「体に必要だから」ではなく「美味しいから」「食べたいから」ではないですか?お菓子などもそうですけど、ほとんどの嗜好品は体にとって必要だから食べているのではなく、欲しいから食べているはずです。
もちろん、嗜好品は体にとって必要ないから一切食べてはいけないなどと言うつもりはありません。そんなこと、修行者でもない限り無理というものです。
よっしーもたまに糖質オフなスイーツを食べます、これらは栄養学的に必要なものではありませんが、楽しみにはなります。人生には適度な楽しみは必要ですよね…そのために血糖値が爆上がりすることになっては困りますけど。
要するに「これは嗜好品だ」と自覚した上で適量を食べるのならいいんですけど、嗜好品を「必需品だ」と思い込んでしまうと、おかしなことになってしまうというわけです。
日本人はお米を大事にしてきた
日本では稲作が始まってから、お米を大事にしてきました。稲は日本の気候にはぴったりであったことが大きいでしょうね。現代でも、食糧自給率はお米以外はかなり低いです。
日本では、古くからお米づくりをつかさどる田の神の存在が信じられてきたそうです。田の神は、冬は山に住んでいて、春になると里に降り、稲の成長を見守り、豊作をもたらしてくれると考えられているのだとか。
人々は田の神に豊作を祈り、お米づくりの過程ごとにさまざまな儀礼やお祭りを行ってきました。お米をそのまま食べるだけではなく、さまざまな食文化が宗教的な儀式や伝統行事となって発展していきました。
よっしーもまた、糖尿病が発覚するまでは季節の行事ごとに七草がゆやかぼちゃの煮物などを作って食べ、自分と家族の健康を願っていました…しかし糖尿病になってしまいました。
だからといって「日本の神様は私の健康を守ってくれなかった!」などと文句を言うつもりはまったくありません。
ただ、「健康になりますように」と神様にお願いするだけではダメではないか?健康になりたいなら他にまず自分で出来ることがあるはず…と思ったんですよね。
まとめ:栄養・嗜好・信仰・食糧事情…
このように、日本人がお米を食べなければいけないかどうかという問題は単に栄養学の問題ではありません。長い時間をかけて培われてきたさまざまな問題が関係しています。
さらに、ある種の団体には既得権益の問題も関係していますし、お米を食べない糖質制限ダイエットという食事方法に対していろいろな意見が出るのはむしろ当然のことと言えます。
ただ、どんな団体の思惑も個人の健康に対しては全く無関係であり、全くどうでもいいことだと思います。