農耕開始前の人類はみんな糖尿病だったのでしょうか?
つい先ほど、某質問サイトで「糖質の摂取量が1日50グラム以下だと糖尿病になる」と断言していらっしゃる方がいたのでびっくりしてしまいました。
これが本当なら、糖質制限ダイエットをしている人の何割かは間違いなく糖尿病を発症しているはずじゃないですか?
江部康二先生が初めて糖質制限の本をお書きになってからもう13年ほど経過しているので、糖質制限で糖尿病になるなら症例報告がバンバン上がっているはずですけど💦
ちなみによっしーは、以前は糖質を1日あたり250グラムは摂取していたと思いますが糖尿病になりました。
そして現在は1日あたり糖質30グラムぐらいしか摂取していないと思いますけど、主治医から「一生必要」と言われたインスリン注射を7か月で完全に中止できました。
糖尿病患者の血糖値が改善する食事がなぜ、健常者を糖尿病にするのでしょうね?また農耕が開始される前の人類はみんな糖尿病だらけだったのでしょうか?
糖質制限するとインスリンが分泌されないというカン違い
ストイックな糖質制限を行うと、すい臓のベータ細胞(インスリンを分泌する)がインスリンの出し方を忘れてしまうと思い込んでいる方たちがいらっしゃいます。
でも実際は、なーんにも食べなくてもインスリンは食事とは無関係に24時間少しずつ分泌されています。これを基礎分泌と言います。
この基礎分泌がきちんと出なくなると、何も食べていないのに肝臓がどんどん作った糖を放り出すので空腹時血糖値がめちゃくちゃ高くなってしまいます。
よっしーは以前、体内でほとんどインスリンが作用しない状態に陥って血糖値が475になって緊急入院した経験がありますよ💦
その時はどんな食事をしていたかというと、糖質制限ではなく「糖質ばっかり」食べてました。風邪で寝込んでいて、うどんやみかんやアイスやら…
糖質ばかり食べる→高血糖→インスリンの効きが悪くなる→ますます高血糖…という悪循環にはまってしまったわけです。
しかも糖質制限をしていても野菜や豆、ブラックコーヒーにすら糖質は含まれています。普通に食事をしている限り「糖質ゼロ」はまず無理というものです。
1回の食事で糖質摂取量が5gを超えると、追加インスリンが分泌されると言われています。糖質を大量に食べた時のように大量ではありませんが、インスリンはちゃんと分泌されているわけ。
食後に血糖値が上がることと糖尿病は別なのでは?
よっしーは糖尿病患者なので、いわゆる「糖質祭り」「チートデイ」といった日はもうけておりません。たった1回でも危険だからです。
しかし中には糖尿病患者であってもたまに糖質を食べすぎて「キャーー!!血糖値が爆上がり!!」なんていう方も…
どうやら、普段きちんと糖質制限をしている人が久しぶりに糖質を過剰摂取すると血糖値が爆上がりしやすいという現象はしばしば見られるようなのです。
宗田マタニティクリニックの看護師さんたちが低カロリーのお弁当を食べて血糖値を測定する実験をなさったところ、血糖値が200を超えた方(糖尿病ではない)がいらしたそうです。
きっとその方は普段糖質制限をなさっているのではないかと思うのですが…仮にそうだとして、みなさんはこれを「糖質制限のせいで糖尿病になった」と思いますか?
毎日大量に飲酒する人は、体も「こいつ毎日アルコールという毒を摂取しやがるからこっちも準備しなければ!」と身構えるのでなかなか酔いにくくなります。
そして、普段全然飲んでいない人が1年ぶりぐらいに飲酒したら、きっとわずかな量ですぐに酔ってしまうでしょうね。普段体がアルコールに対して警戒していない状態になっていたからです。
でもね、年に1~2回だけ飲酒して酔っちゃう人と「オレは酒に強いんだ!」と言って毎日浴びるように飲む人、いずれ肝臓を壊すのはどちらだと思いますか?後者ですよね!?
「糖質制限で糖尿病になる!」というのは「禁酒で肝硬変になる!」というようなものだと思うのですが…ね。
糖質の過剰摂取で糖尿病になる人やお酒の飲みすぎて肝硬変になる人のことを棚に上げてナニイッテンノ?ですね。
食べたい人は自己責任で「適度」にどうぞ♪
たとえ糖尿病と診断されていても、太りすぎてこのままでは病気になると医師から言われていても、どうしても糖質制限できない人はたくさんいらっしゃいます。
中には「わ…私は食べたいわけじゃない、こっこれは耐糖能が低下しないようにあえて食べているんだからねっっ!!」とおっしゃる方も💦
何でも結構ですけど、自分でよく考えて適度に召し上がってください。あとで「こんなはずじゃなかったのにー!」なんてことにならないようにね。
肝臓を健康にキープしたいと思った時「禁酒するとたまに飲んだときにすぐに酔ってしまうからそうならないように毎日適度に飲酒しようっと」と思うか、スパッと禁酒するかの選択みたいなものです。
高脂肪食なんて食べたくても存在しなかった昔の日本にも、ちゃーんと肥満や糖尿病患者はいました。
藤原道長とその一族、織田信長、それから江戸時代にはそこそこたくさんの糖尿病患者がいて合併症についてもかなり詳しい記録がすでに残されております。
そして糖質の過剰摂取も良くないのですが、さらに脂質も大量に摂取して体をロクに動かさないのですから、これはもう肥満や糖尿病が増えるのは当たり前じゃないですか。
現在糖尿病と診断されている中高年の方の中に、若い頃から糖質制限している人はまずいないと思いますが…💦