糖質制限しても糖新生で本当に糖質は足りるの?運動している人でも大丈夫?

糖新生という仕組みが備わっているが…

糖質制限ダイエットが体に良くないのではないかと心配されている方たちは「糖質は大事なエネルギーなので糖質を制限しすぎると糖質が不足するのではないか」と思っていらっしゃいます。

糖質は確かに必要なものです。人体の中には、ブドウ糖しかエネルギーとして使えない部分も確かにいくつか存在するからです。

でもね、それは肝臓で主にアミノ酸(タンパク質が分解されたもの)やグリセロール(脂肪が分解されたもの)を材料として「糖新生」によって作ることができます。

何らかの病気をお持ちで糖新生の機能が十分に働いていない方は糖質制限を行うことはできませんが、大部分の方はそうではありません。

糖尿病患者さんの多くは、糖質制限をしても肝臓が必要以上にどんどん糖を作ってしまうので空腹時血糖値がなかなか理想値まで下がらないことで悩んでいるぐらいです💦

でもね、運動をしている方を含めて「本当に糖質制限しても糖新生だけで大丈夫なの?」という点がふと気になったのでじっくり考えてみることにしました。

にゃご
なるほど…運動するなら糖質が足りなくなるんじゃないかと心配になるのは分かるんだぞ。

よっしー
にゃごたちは肉だけでしっかり走れるんだからヒトも大丈夫な気がするけどね。

糖新生で作られる糖の量はどれぐらいなの?

糖新生は主に肝臓で行われています。腎臓でも少し行われています。糖質をたくさん食べて血糖がたくさんある時には糖新生は抑制されます。

糖質制限をきっちり行っている場合や、そうでない方も夜間就寝中や長時間空腹が続いた時は1時間あたり6~10gの糖が糖新生によって作られています

平均的な体格の成人女性の血糖値が100mg/dLだとすると、その人の全血液(約4L)中の血糖の合計は100(mg)×40(dL)=4000mg=4gとなります。

どうしてもブドウ糖しかエネルギーとして使えない体の箇所はごくわずかで、赤血球は1時間あたり2g程度のブドウ糖を、脳のグリア細胞は1時間あたり2~4gのブドウ糖を消費します

つまりなーんにも食べなくても、糖新生によって作られるブドウ糖(1時間あたり6~10g)よりも赤血球とグリア細胞が消費するブドウ糖(1時間あたり4~6g)のほうが少ないのです。

実際にはずっと座りっぱなしというわけではなく、歩いたり走ったり日常生活で体を動かしますよね。

「運動する人は糖新生だけでは糖が足りなくなるんじゃないの!?」と思うのは当然です。今度はそれを考えてみることにします。

アスリートがケトン食で3時間運動しても大丈夫!

糖新生だけでは、確かにハードな運動のためのエネルギーは賄いきれない気がします。しかしこんなときのために「グリコーゲン」があるのです。

グリコーゲンは肝臓に100gほど、筋肉に300gほど蓄えられている糖です。筋グリコーゲンは主に運動時のエネルギーとして、肝グリコーゲンは血糖値の調節に使われます。

運動を行って仮に糖新生のエネルギーだけで足りなくなっても、筋グリコーゲンが活躍してくれますし体脂肪も使われますよね。

こんな研究があります。日頃から高糖質食を摂取しているアスリートとケトン食(ストイックな糖質制限)を摂取しているアスリートを集めました。

前者には高糖質シェイクを、後者には低糖質シェイクを摂取させて3時間運動してもらったところ、両者とも運動前、運動中、運動2時間後の筋グリコーゲン量にはほとんど差がなかったのです!

つまり昔言われていたように「運動前にはカーボローディングを行って筋肉に大量のグリコーゲンを蓄えておかなければいけない」という話の根拠が否定されたわけです。

またアスリートが3時間も運動した直後でさえ、高糖質シェイクを飲んだ後にインスリンが分泌されて血糖値もやや上がってしまったそうです。

「ハードな運動を行えば筋肉がどんどん血糖を取り込むので、どんなに糖質を摂取しても大丈夫」という話も否定されちゃったわけです。

アスリートですら糖質は摂取しなくても大丈夫だった

ふだん糖質をたっぷり摂取している人は、糖質をメインのエネルギーとして使うことに体が慣れています。

一方、ふだん糖質制限をきっちり行っている人は、糖質ではなく脂質をメインのエネルギーとして上手に利用することができます。

おそらく…これは私の予想ですけど、ふだん高糖質食を摂取している人がいきなり低糖質シェイクを飲んで3時間運動した場合は筋グリコーゲンが結構減ったりバテバテになってしまうのでは?

ふだん糖質ばかりエネルギーにしている人は、いざという時脂質をうまくエネルギーとして使えません。でも、糖質制限に慣れている人は上手に脂質をエネルギーとして使えます。

ボディビルダーのようにものすごく体脂肪が少ない方がタンパク質しか摂取しないで脂質を補給しないで長時間運動を行えば、もしかしてエネルギー不足に陥る可能性はあるかもしれません。

しかし脂質をきちんと摂取していれば、問題は起こりにくいのではないでしょうか?この実験に参加したのは、スーパーマラソンやトライアスロンで決勝の上位10%に入るエリート男性選手たちばかりです。それも3時間も運動したわけ!

まして普通のおじさんやおばさんがジムでちょっとばかり運動するからって、わざわざ糖質を意識的に摂取しなくても大丈夫なんですよ♪

脂質がメインのエネルギーとして使われますので、筋グリコーゲンは普通に糖質を摂取している人と同程度しか減らないのですからね。

それなりにハードな運動を長時間行う前に、必要なエネルギーを脂質から摂取しておくといいでしょう。

また糖質制限中はアミノ酸の一部が糖新生に使われますので、タンパク質は多めに摂取する必要があります。

よっしーは糖質が少ないプロテインをMCTオイルと一緒にシェイクして飲むのが好きです。この時、うっかりココナッツオイルを使うとシェイクする時固まってしまうので必ずMCTオイルを使ってくださいね。

なぜヒトは大量に体脂肪を蓄えているか考えましょう

ヒトが蓄えておけるグリコーゲンは、合計400g前後にすぎません。これに対して体重50kgで体脂肪率20%の女性は10kg=10000gもの脂質を蓄えています。

ヒトがわざわざこんなに大量の脂質を体脂肪として蓄えているのは、なぜでしょう?いざという時に脂質をエネルギーとして使うことが前提になっているからですよね?

本当に脂質より糖質の方が優れたエネルギー源だとしたら、ヒトはもっと大量にグリコーゲンを蓄えられるように進化しているはずだと思うのですが…💦

あなたが血糖値をうまく調節できない病気や糖新生がうまくいかない病気でない限り、ほとんどの場合においてわざわざ大量に糖質を摂取する必要はありません。

脳のグリア細胞がブドウ糖を必要としていると言っても、あなたが低血糖でないのならグリア細胞が求めている糖はちゃーんと届いています、何も心配はいらないんです。

しかも心臓や脳のニューロンなど多くの体の部分は、ケトン体をエネルギーとして使うことができるんです♪

十分に足りているのに「たくさん食べないと足りなくなるかも!!」と心配するよりも、摂り過ぎていることを心配すべきです。

何しろヒトは、穀物食のネズミなどとは違って大量に糖質が体外から入ってくることを想定して作られていません。

糖質が足りない時は糖新生やケトン体で対応できても、糖質を摂り過ぎちゃうと対応しきれずに糖尿病を発症する人が激増しているのが現代なのです。

にゃご
糖質は体内でちゃんと賄えるということをまず知らないといけないよね。

よっしー
そうよ!食べたいから「食べなきゃ」と自分に言い聞かせているだけかもしれないわよ♪

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