高脂肪食で中性脂肪が高くなる?
「脂肪を摂り過ぎると、体内に摂り込めなかった余分な脂肪は6時間以上も血管の中を漂い、血管壁にプラークがたまって動脈硬化が進行する、したがって糖質制限は危険である」という批判を見かけました。
食後に血管の中を漂っている余分な脂肪というのは、食事由来のトリグリセライド(中性脂肪)のことでしょうか。肉だけではなく魚のアブラも植物性のアブラもダメなんですって💦
糖質セイゲニストのみなさん、みなさんの中性脂肪値はそんなに高いですか…?よっしーは食後もっとも中性脂肪が高くなると言われている時間帯に検査をしても正常値をはみ出したことは1度もないんですけど。
同じく糖質制限をしている夫も、会社の健康診断ではいつも中性脂肪は40前後なのですが…脂質制限をしていないのに中性脂肪は正常値の中でも低いほうなのです。
これで「脂肪を取りすぎると中性脂肪が高くなってプラークが~」と言われても、なんのこっちゃ??という感じですよね。
夫の会社の後輩で中性脂肪が750もあるのに病院へ行かずに放置している若い方がいますが、その方は糖質大好きでお酒も飲むそうですよ!
普通に主食を食べてお酒を飲みつつ脂質もたっぷり摂取する人はそりゃ中性脂肪は高くなるでしょうけど、それって糖質制限とはまるで意味が違うではありませぬか。
冒頭で紹介した記事では「糖質制限でトンカツなどの揚げ物をたくさん食べ、お酒も毎日飲んでいた男性が脳梗塞を起こした」そうです。
トンカツは、1枚だけでもけっこう糖質があります。肉屋さんで購入したトンカツの衣を半分はがして食べたら何時間も高血糖が続いてショックだった経験があります。
まして衣をはがさないでトンカツを2枚以上食べ、甘いソースをゴッテリかけた上に、他にも甘辛い調味料をたくさん使ったおかずを食べたりビールを飲んだりしていたとしたら…?
一般的にトンカツは、糖質制限をしている方が無制限に食べていいものではありません。そうでしょう?糖質+脂質+アルコールなんて、もっとも健康に良くないんじゃないですか。
脂肪を食べるから脂肪が増えるってあまりにも単純な思考ですよね!
そのくせ、糖質が体内で脂肪に変身することに関してはあまり危機意識がないみたいね。
生まれつきの病気で高脂血症の方は?
健康な方が「正しく」糖質制限を実践する場合、中性脂肪が異常に高い値になることは考えにくいです。ほとんどの方は糖質制限で中性脂肪が100以下になるそうです。
しかし、これはあくまでも健康で脂質代謝が正常な方の場合です。少数ではありますが、生まれつきの病気などで高脂血症になりやすい方たちはいらっしゃいます。
たとえば、「原発性高カイロミクロン血症」という難病の患者さんは生まれつきカイロミクロン(食事の中の中性脂肪やある種のビタミンなどを運ぶ船のようなもの)をうまく代謝することができません。
健康体の方であれば高脂肪食を摂取しても血液中の中性脂肪が高くなりすぎることはありませんが、この病気の方は異常に中性脂肪値が高くなってしまいます。
残念ながらこの病気は現代の医学ではまだ完治させることは出来ない難病で、また遺伝します。日本には300人以上の患者さんがいるとされており、それほどありふれた病気ではないようです。
そして注目すべきは、この病気は先天的なものばかりではないということです。何らかの後天的な原因で発症する人の方が多いんですって。
後天的な原因としては、糖尿病・ネフローゼ・お酒の飲みすぎ・妊娠・肥満・他の病気やある種の薬の服用などがあるそうです。特に糖尿病やお酒によるものは日常的によく見られるんですって。
先天的なものは治せませんから、生涯にわたって脂質制限を継続しなければいけないのだそう。ただ厳格な脂質制限をしても中性脂肪が下がらないこともあり、薬物治療が行われます。
時に命にもかかわる急性膵炎を起こさないようにするため、脂肪だけでなくアルコールも制限します。糖質の多い食事を避けることが有効な場合も多くあるそうです。
先天性の病気だからと言って「脂質だけが悪い」とは言えないんですね。漫画に登場する男性のように動物性脂質だけを目の敵にする人も多いですが、それでは不十分かも💦
黄色人種のイヌイットよりネズミを信じる先生たち
日本糖尿病学会の山田悟先生はこのような糖質制限批判を「動物とヒトは代謝経路が異なるのに、動物実験の結果をそのままヒトに当てはまるとは話にならない」と一蹴されています。
私たちと同じ黄色人種であるイヌイットは昔、野菜や果物の摂取量はかなり少なく(極寒の地で暮らしていたため)生肉や魚ばかり食べていた頃は肥満や心臓病、糖尿病はかなり少なかったです。
ところがファーストフードなどを食べるようになり、生活習慣病にかかる者がかなり増えてしまいました。
ネズミの実験を自分たちに当てはめようとするくせに、黄色人種であるイヌイットの実例をスルーするのはおかしいと思いませんか?イヌイットよりもネズミに近いヒトなんているのかしら!?
また、かつて長生きで有名だった沖縄の方たちの平均寿命が短くなった『沖縄クライシス』を引き合いに出して糖質制限を批判する先生方もいらっしゃいます。
沖縄では戦後の欧米化の影響を受け、明らかに脂肪摂取量が増え、欧米のような内臓脂肪型肥満になる人が増えたので糖尿病患者が増えたというのです。
当ブログでも何度も書いている通り、糖質は生活習慣病に悪いですが糖質と一緒に脂質を大量に摂取するともっとも体に良くないことは明らかです。
沖縄の方たちは確かに戦後、脂肪の摂取量は増えたかもしれません。でも沖縄の方はみんな糖質制限をなさっているのでしょうか、違いますよね?
糖質摂取量はごくわずかしか減っていない、未だに過剰摂取と言える量を摂取している。その上高脂肪食…これでは内臓脂肪型肥満になるに決まっているじゃないですか。
みんな脂質だけを悪者にしたがっている
脂質と大量の糖質を一緒に摂取するのが良くないのに、脂質だけに「罪」をおっかぶせて、何とかして「糖質は全然悪くありませんよ~」という結論に持っていきたい人がたくさんいらっしゃいます。
それはおそらく、糖質食品にかかわる仕事に従事なさっている方が多いからでしょうね。あと、糖尿病患者にかかわる仕事も…
冒頭で紹介した「脂肪をたくさん食べると中性脂肪が高くなる」にしたって、トンカツのバカ食いではなく正しく糖質制限している人たちの血液検査のデータを見ればすぐに分かることなのにね。
何も反論することができず黙っている、可哀想な脂質ちゃん。脂質だけを摂取しても、健康体なら何も悪いことは怒らないのに…
先天的な病気の方は脂質制限が必要ですが、その際も「脂質だけ制限すればそれ以外は好きなだけ食べてOK」ではないのにね。大部分の後天性の方は、上の表のようなものをひかえなくてはいけないそうです。図は科研製薬株式会社様のサイトからお借りしました。
病気と言えば、普通に糖質を摂取しているといずれ糖尿病になる運命の日本人はかーなーりーたくさんいるわけですが…💦「糖質制限が合わない人もいるんですよ!」と言いながら、糖質が合わない患者(多数)にも一律高糖質食を押し付けているのはおかしいですね。
どういうわけか、いつも脂質だけが悪者扱いされてしまいがちです。脂質と一緒に糖質を摂取しても、何か良くない事が起これば脂質だけが責められがちな責められがちなのはおかしいですよね。
脂質が悪の根源だとしたら、きっちり糖質制限しているよっしーたちは他の人たちよりも中性脂肪値が明らかに高くないとおかしいと思いますけど、実際はそうではないのです。
アレルギーも含め、何かが合わない人は必ず存在しますよね。だから糖質摂取だって合わない人がいるのは当然なのにね…
なぜか動物性脂肪ばかり批判されて、糖質が合わない人には糖質を食べなさいというのも変よね。よく考えましょう!
♪よろしければ併せてお読みください♪
→「糖質制限は危険!」と言われて不安になった方のための過去記事まとめ(クリックで記事へ)