糖質制限ダイエットではどれぐらい糖質を食べてもいいの?
糖質制限ダイエットを新たに開始するときにみなさんが気になるのが「糖質ってどれぐらい食べてもいいの?」ということではないでしょうか。
江部康二先生のスーパー糖質制限は「1食あたり糖質20gまで」と決められていますが、もし糖質20gでもちゃんと効果が出るのであれば、糖質5gよりも糖質20gのほうがずっとラクだと誰もが思うはず。
この問題に関しては、あなたが糖尿病などの病気を持っているかどうかによっても答えが変わってきます
もしあなたが糖尿病なら、食後血糖値が目標の数値をはみ出さない範囲内で糖質を摂取するといいでしょうね。食後血糖値はどんな時でも180を超えないほうがいいと思います。
ただ問題は「ごく軽度の糖尿病の方」および「健常者の方」です。このような方は血糖値さえ上がらなければOK、あるいは体重が増えなければ万事OKだと思ってしまいがちなので💦
体質にもよりますけど、糖質を多めに摂取した場合「体重は増えないけどじわじわとすい臓に負担をかけて、いずれ糖尿病を発症させるには十分」なことも多々あるので…
個人差を無視して「何グラムまで大丈夫」とは言えない
江部康二医師が「1食あたり糖質20gまでOK」と決めていらっしゃるのは、2型糖尿病患者は1gの糖質を摂取すると血糖値が3ぐらい上がる人が多いからです。
たとえば空腹時血糖値が90の人が糖質20g摂取すると、血糖値は60ぐらい上がり食後血糖値は150ぐらいになると予想され、このぐらいならまぁ許容範囲というわけです。
でもこれはあくまでも平均値であって、1型糖尿病の方は1gの糖質が血糖値を5ぐらい上げると言われますし、2型でも小柄で華奢な女性や子供では血糖値が4上がる方もいらっしゃいます。
そして「糖質20g」というのは「これぐらいまでならまぁいいでしょう」という目安であって、理論的には健康な方であれば糖質摂取はゼロでも問題ないとのことです。
健康な方では体が必要としている量のブドウ糖は主に肝臓で「糖新生」によって作られる量で足りますからね。
そして糖質20gでも血糖値が100上がる方はやっぱり困るはずです💦 そういう方はもう少し糖質摂取量を抑えるべきなのかもしれません。
糖尿病ではない方のほうがむしろ問題だ!?
ある意味、よっしーたちのような糖尿病患者の方が分かりやすくていいかもしれません。何しろ糖質を摂り過ぎると血糖値が上がるのですぐに分かるからです。
でも問題は糖尿病ではない健康な方たちの場合です…糖尿病ではない方は何をどれだけ食べすぎても血糖値がある程度以上に上がることはありません。
実はここに落とし穴があるんですよね💦 糖尿病ではない方が糖質をたくさん食べても血糖値が上がらないのは、すい臓のβ細胞ががんばって大量にインスリンを分泌しているからです。
見た目血糖値が上がらないと言っても、じつはすい臓が相当頑張っているわけです。これを長年続けていると、疲れ切ったβ細胞がいつかとうとう過労死して糖尿病になるんですよ。
糖質を大量に摂取すると「肥満ホルモン」とも呼ばれるインスリンが分泌されます。このとき余った糖質はインスリンの作用で中性脂肪に変えられます。そして太ります。
しかし、食べた分だけ太れる方はある意味健康なのです。じつは糖質を大量に摂取しても糖尿病にならず太ることもない方たちが存在します。
何らかの原因で腸から栄養が吸収されていないだけならまだいい(?)のですが、そうではない場合は…そのような方はガンを発症しやすいのではないかと言われるので心配です。
なまじ糖尿病ではないばかりに、血糖値や体重さえ問題なければ何をどれだけ食べても大丈夫だと思っている方が多いのは残念です💦
自分で色々やってみるしかない
あなたが糖尿病ではないとしても、もし抵抗がなければ自己血糖測定器を購入することをお勧めします。
身内に糖尿病患者さんがいらっしゃる場合はなおさらです。「私はまだ大丈夫だ」と思っていてもじつはすでに境界型糖尿病を発症していたと言う方を何人か知っています。
「厳しい糖質制限は続けられないだろうなー」と思う方はまず緩めの糖質制限(山田悟先生のロカボなど)でやってみて、食後高血糖や体重増加がないかどうか観察してみてください。
問題がなくても、できればゆっくり糖質摂取量を減らしていくことを個人的にはお勧めします。中途半端に糖質を制限しながら脂質を大量に摂取すると健康に良くないので…
糖質制限のことは病院の管理栄養士さんや医師はほとんどご存じないので、病院で彼らに「糖質をどれぐらい摂取したらいいですか?」と質問しても無駄なことです💦
大切なのは、みなさんが自分の場合はどのぐらい食べても大丈夫なのか自分で試してみること、そして「限界ギリギリまで食べてもいい」というものではないということを忘れないことです。
きちんと効果が出て、なおかつ継続することができるラインは自分で見つけていくしかないんです。頑張りましょうね♪