糖質制限ダイエットで低栄養性脂肪肝になる?!
さきほど、びっくりするような話を聞きました。なんと「極端な糖質制限ダイエットをすると、中性脂肪が不足して体じゅう全部の中性脂肪が肝臓に蓄積して低栄養性脂肪肝になる」というのです。
低栄養性脂肪肝は、学生時代にちらっと講義で耳にした覚えがあります。極端なカロリー不足、ことにタンパク質が不足した状態では低栄養性脂肪肝になりやすいとのこと。
タンパク質の極端な不足が主な原因で起こる栄養失調のクワシオルコルでは、手足がやせ細るにも関わらず脂肪肝や浮腫でお腹は大きく膨らんでしまいます。
2型糖尿病患者に高タンパク食を食べさせたところ、脂肪肝が改善したという研究結果もありますね。
極端すぎるダイエットによる飢餓状態から起こる低栄養性脂肪肝を、糖質制限ダイエットのせいであると結論付けようとしているのかな~と感じました。
脂肪肝は、肝細胞の中に中性脂肪が蓄積された状態です。「糖尿病ではないけど中性脂肪が高いんだよね…」という方はけっこういらっしゃるのでは?
糖質を摂取すると、グリコーゲンという形で貯蔵できない分はインスリンの作用で中性脂肪に変わります。運動していない人は常にグリコーゲンの貯蔵は満タン状態になっています。
中性脂肪がやってくると太る能力が高い人はどんどん太りますが、そうでない人はそれほど太れず早いうちに脂肪肝になってしまいます。
なぜなら、行きどころがなくなった余計な中性脂肪は脂肪や筋肉に沈着してしまうからです(異所性脂肪沈着)。これが糖尿病発症の原因にもなります。
日本人の場合、アルコールが原因の脂肪肝よりも糖質の摂りすぎが原因の脂肪肝の患者の方が多いのだそうですよ。気をつけなければ。
中性脂肪が高値!何が原因なのだろう?
肝臓の状態を知る検査は、ALT(GPT)・AST(GOT)・γ-GTPの3つが基本です。トリグリセライド(中性脂肪)も参考になります。
「極端なダイエットで脂肪肝になる」などと言われますが、よっしーは糖尿病で入院した時は腹部エコーとCTで脂肪肝だと言われたのですが現在は正常です。
肝臓の数値も常に正常値の中でも低いほうです(※ナイアシンの大量服用をしているとこれらの数値が一見高くなる人がいるそうですが、その場合は検査の5日前から服用を中断すればいいそうです)。
中性脂肪は直近の食事の内容と食べた時間によって変動もありますけど、正常値の中で極端に高くなったり低くなったりすることもなく、ちょうどいい感じです。
中性脂肪が高すぎる方はお酒を飲みすぎていたり糖質を食べすぎている方が多いのですが、たまに糖質制限ダイエットをしているにもかかわらず中性脂肪が高いという方がいらっしゃいます。
中性脂肪は直近の食事の影響をかなり受けます。高脂肪食を食べた後は血液中の中性脂肪も増加し、個人差がありますが食後2~4時間でその値はMAXになるそうです。
会社の健康診断では検査当日の朝は食事を食べてはいけないでしょう?よっしーはいつも普通に食事をしてからお昼過ぎに糖尿病内科の検査を受けますが、まぁそれでも正常値です。
当日、食事をしてから血液検査を受けていつも中性脂肪が高い…という方は朝食を抜いて検査してみるか、あるいは前夜にお酒を飲みすぎていないか確認してみてください。
アルコール摂取後12時間で、中性脂肪はピークに達するそうです。お酒もまったく飲んでいないし糖質制限しているのにやっぱり中性脂肪が高いときは、医師に相談してみる必要があるかもしれません。
中性脂肪が低すぎる場合も問題がある?
中性脂肪が高値だといろいろな健康上の問題がありますけど、逆にうんと低値なら問題がないというわけではないようです。
中性脂肪29mg/dL以下は「低中性脂肪症」と診断されます。体質的なものもあるそうですが、肝臓が悪いと中性脂肪が十分に作れないこともあり、その場合はコレステロール値も低下します。
また甲状腺ホルモンの異常により中性脂肪やコレステロール値が異常に低くなることもあります。健康体であれば糖質制限ダイエットのせいで中性脂肪が異常に低くなることはないのです。
中性脂肪やコレステロールは、多すぎても少なすぎても健康にとって良くありません。そのため、食事の内容によって左右されすぎないように体内で調整が行われています。
菜食主義でいっさい肉を食べないにも関わらずコレステロール値が高い方がいらっしゃるのは、食事からのコレステロール摂取が少ない時は体内でコレステロールを作るからです。
もしあなたが糖質制限ダイエットをしていて中性脂肪が異常に低くなった場合、肝臓や甲状腺に異常が無いか調べてもらったほうがいいと思います。
肉よりも魚を食べないとダメなの?
「糖質制限ダイエットであっても、魚を中心として食べるのはいいけど肉を多く食べれば中性脂肪は上がるんじゃないか?」と思う方は多いですよね。
しかし実際には、摂取する脂質の種類に関係なく糖質制限ダイエットで中性脂肪の値は低下します。下のグラフは日経グッディ様のサイトからお借りしました。
グラフの飽和脂肪酸は肉・乳製品・ココナッツ油などに多く、一価不飽和脂肪酸はオリーブオイルやナッツに、多価不飽和脂肪酸は植物油や魚に多い脂肪酸です。
肉を含め、どのような種類の脂質であっても糖質を普通に摂取するよりも中性脂肪は低くなるということなんですね。これを忘れてはいけません。
したがって、糖尿病と診断される前のよっしーのように、健康に良いと言われる青魚をせっせと食べていても主食を普通に食べていては効果はあまり期待できないかもしれませんよ。
中性脂肪や脂肪肝が気になる方は、糖質を減らしてタンパク質不足にならないように肉や魚をしっかり食べ、いくら糖質オフでもお酒を飲みすぎないように気をつけましょう。
そして、無理のない範囲で運動の習慣をつけるのも良いことです。決してハードな運動をする必要はありません。
何処へ行くにも車や電車…という方は少し歩くように心がけるだけでも違います。歩くときは、この季節は熱中症にはくれぐれも気を付けてくださいね。