糖質制限の度合いはいろいろですね
このブログを読んでくださっているみなさんは、糖質制限ダイエットを実践中または糖質制限ダイエットに関心がある方たちだと思います。
ひと口に「糖質制限ダイエット」と言っても、どの程度糖質摂取量を制限するかは人によってかなり異なるようですね。
1食あたりの糖質摂取量を20~40g、間食の糖質を10g未満にして1日合計糖質摂取量を60~130gに制限するのが「ロカボ」です。
江部康二医師のスーパー糖質制限食は、1食あたりの糖質摂取量を20gまでに制限します。江部先生は「理論的には糖質ゼロでもいいが野菜も食べなければいけない(ので実際には糖質0は無理)」とおっしゃっています。
アメリカの1型糖尿病患者のバーンスタイン医師は、朝食は糖質6gまで・昼食と夕食は糖質12gまでに制限することを推奨なさっておいでです。
よっしーは普段、1食あたりの糖質量は8~10gぐらいになっていると思います。運動するという前提で15gぐらい摂取することもあります。
でも、もっとストイックな糖質制限もあります。いわゆる「断糖」ですね。いろいろな先生方が勧めていらっしゃいます。
たとえば釜池豊秋先生のやり方では基本的に食事は夕食のみで朝はコーヒー、昼はせいぜいチーズやゆで卵ぐらい。夕食も糖質5g以下というものすごくストイックな方法です。
断糖は普通の糖質制限と何がどう違うの?
「インスリン」というホルモンは、血糖値を下げるホルモンです。ただ血糖値を下げるだけではなく、余ったブドウ糖を中性脂肪に変えて体脂肪として蓄える作用を持ちます。
インスリンは何も食べなくても24時間少しずつ分泌されています。もしこのインスリン分泌(基礎分泌)がないと、肝臓がどんどん糖を作っては放出してしまい抑制が効かなくなってしまいます。
何しろ肝臓ってやつは、糖を作り出すのはお手の物なので…健康体であれば糖質制限しても低血糖にならないのは、この「糖新生」のおかげです。
食事で糖質を摂取すると、追加分泌のインスリンが大量に分泌されます。血糖値が上がりすぎると血管の内側が傷ついたり、活性酸素により動脈硬化が進行したりと危険だからです。
50gの糖質を摂取すると、基礎分泌の10~30倍くらいの追加分泌だそうです。ちなみに白米ご飯150gに含まれる糖質量は約55gです。
糖質量が10gだと基礎分泌の2~3倍のインスリン追加分泌であり、糖質5g以下ならもっと追加分泌は少ないんだそうです。
断糖で1食あたりの糖質を5g以下にすれば、追加インスリンはほとんどないということになりますよね。糖質20gぐらい摂取する場合は、ある程度追加インスリンは分泌されています。
断糖では追加インスリンがほとんど出ませんので、ダイエット効果がとても大きいのです。追加インスリンがしっかり分泌されている状態では糖質や脂質は体脂肪になってしまいます。
しかし肉だけを塩コショウで食べる場合、体にとって必要以上の量の脂質は吸収されずに排出されるようになっているのです。
もしかしたらこのあたりの「体によってちょうどいい量」の設定の違いが、同じように糖質制限していてもその人が落ち着くベスト体重に少々個人差がある理由なのかもしれませんね。
糖質依存症を断ち切るにも断糖!
糖質依存症の状態になっていると、ちょっとばかり糖質摂取量を減らしても「あーーーー!もっとたくさん食べたい!!」という欲求をなかなか抑えることができません。
ちょっと思い出してみてください。あなたが大好きでたまらないお菓子があるとします。そのお菓子を半分だけ食べてやめておくぐらいなら、いっそ最初から食べないほうがかえってラクじゃないですか?
過剰に摂取した糖質は脳内のβ-エンドルフィンという中毒性がある物質を増やします。特に糖質と脂肪を一緒にとるとβ-エンドルフィンはより増えることがわかっているんですって。
つまり、さほど糖質オフでもない上に脂質たっぷりの糖質オフスイーツなどをたっぷり食べていると「糖質食べたーい!」という気持ちがいつまでもおさまらず、挫折してしまいがち。
「糖質制限ダイエットを試みても、どうしても糖質を食べたくていつも長続きしない」という方は試しに3日間ぐらい徹底的に「断糖」してみては?
ただし、何らかの病気をお持ちの方は低血糖になるなど危険な場合もありますので、自分が断糖しても大丈夫かどうか事前に調べてから自己責任で行ってくださいね。
がんと闘う患者さんは断糖のほうが効果が大
「糖質はガンのエサ」という言葉があります。PET検査は、がん細胞が正常細胞に比べて多くの糖分を取り込む性質を利用して、がん細胞の場所や悪性度を調べる仕組みです。
がん細胞の発生自体は食事とは無関係のいろいろな原因があるでしょうね。しかしがん細胞がどんどん大きくなるためには、ブドウ糖がたくさんあったほうがやはり有利なようです。
高濃度ビタミンC点滴療法というがんの治療法を聞いたことがありますか?これは患者に徹底的な糖質制限(断糖)をさせた上で、大量のビタミンCを点滴するものです。
ビタミンCはブドウ糖と非常に構造が似ています。ビタミンCを大量に摂取している人は自己血糖測定器で実際よりも血糖値が高めに出るのは、測定器はこの2つを区別できないからです。
がん細胞もまた、ビタミンCを大好きなブドウ糖を間違えて食べてしまい、その結果として死んでしまいます。ビタミンCはがん細胞にとっては有害ですが、正常な細胞には害をもたらしません。
断糖しても血糖値はゼロになるわけではありませんけど、高血糖状態ではせっかくビタミンCを点滴してもその効果は薄くなることが想像できますよね?
なるべく血糖値を低めに抑えて、空腹のがん細胞にビタミンCを取り込ませることが大事なんですよね。
よっしーは昨年、がんの薬の研究もしていた叔父をがんで亡くしました。まだ若かったのでとても残念です。断糖と高濃度ビタミンC点滴療法が、1つの選択肢として広まりますように…
実践はちょっと大変だけど効果は抜群だと思う
1食あたりの糖質摂取量を5gに制限しようと思うと、自然と食べてもいいものは限られてきますよね。一般な糖質制限ダイエットをさらに厳しくした感じになります。
市販の糖質オフスイーツなども、ほとんどNGになってしまうんじゃないでしょうか…手作りならギリギリセーフな場合もあります。
何しろ、トマトやニンジン、とうもろこしなどにもある程度の量の糖質は含まれていますから、野菜は葉っぱものが中心になるでしょう。
よっしーは効果と実践することの大変さをハカリにかけて、現在の糖質摂取量に落ち着きました。なかなか「断糖」まではできませんが、実践できれば効果は大きいと思います。
卵や肉、魚などは調味料に気をつければ自由に食べることができるので、肉を思いきり食べたい方は意外とラクかもしれませんね。
病気をお持ちでちょっとのことですぐ低血糖を起こしやすい方は断糖には危険が伴うので、主治医に指示された食事を守るようにしてください。
糖質制限ダイエットの中でもストイックな「断糖ダイエット」ですが、関心のある方、糖質依存症を断ち切りたい方は体調に気をつけながらチャレンジしてみてはいかがでしょうか。