痩せるために走るのは無駄!?
アクセス解析を見ていると「痩せるために走るのはムダ」という検索ワードで検索してくださる方が多いことに気が付きました。
よっしーは若い頃は10km走ったりしていました。特に、飲み会に行って体重が増えた翌日とかね。「体脂肪が定着する前に全部運動で消費してやるぅ~!!」と必死でした。
で、何とか体重は維持していましたけど、妊娠したとたんに妊娠糖尿病になりました…
ちなみに、妊娠中は激しい運動は出来ませんが、徒歩通勤していましたし、出産までに体重は5キロしか増やしていません。可能な範囲で体を動かすようにしていました。
今思うと、独身時代は糖質を食べた後に10km走れば食後血糖値は上がらなかったのかもしれません(妊婦には無理です!)。
しかし夕方走って、その後夕食では普通にご飯を食べていましたので、あまり意味は無かったのかもしれませんね~。
定期的な有酸素運動はインスリン感受性を高めますけど、もともとインスリン分泌能力が他の人より低かったよっしーには、耐えられなかったのでしょうね。
運動は変えていないのにスルスル痩せた夫
よっしーの夫は糖尿病ではなく、体重は標準体重を2キロオーバーする程度でした。週4回ほどジムで筋トレをしたり10km走ったりしていましたが、何をしても痩せませんでした。
でも、よっしーが糖尿病と診断されてしばらく経って、夫も一緒に糖質制限ダイエットをやり始めました。
すると…運動の内容と量はそれまでとまったく変えていないのに、スルスルと体重や体脂肪率が減り出して、体脂肪率が8~9%で腹筋の割れた痩せマッチョになりました。40代のオッサンとしては申し分のないカッコイイ体です♡
職場でも、男女両方から「なぜそんなに良い体になったのか教えて」と言われるそうですよ。
運動していても痩せなかった人が食事だけ変えて順調に痩せたということは…運動が無意味ではないにしても、痩せるためには食事のほうがより重要であることの証明になると思います。
あなたの周囲にもいらっしゃるでしょう?長年ジムに通って運動をしっかりしているのに、一向に痩せない方が。
「運動さえしっかりとしていればカロリー制限なんていらない、痩せる」という方もいますが、明らかにそうではない人が多すぎます。現役スポーツ選手の中にも、太めの方がいらっしゃるではないですか。
いくら筋肉を付けても、体脂肪も多ければあまり意味はないかもしれませんよ?
運動は何のために行うのでしょう?
純粋に運動でカロリーを消費して痩せようと思うと、相当な努力が必要です。フルマラソンを完走したとしても、体脂肪はせいぜい500gぐらいしか減りません。
夫はフルマラソンに出ますが、直後に1kg以上体重が減ってもすぐに戻ると言っています。減ったのは水分もあるからでしょうね。
また、筋トレを頑張って筋肉を1kg増やしたとしても(素人の女性が筋肉を1kg増やすのは、それまで寝たきり生活を送っていた人でもない限りかなり大変です!)基礎代謝量は13~70kcalしか増えないそうです。
「筋肉が血糖を消費してくれるから、筋トレすれば何を食べても平気」と思うかもしれませんが、筋肉を5kg増やしたってせいぜい350kcalです。糖質1gのカロリーは4kcalなので、糖質に換算すると87~88g分です。
カレーライスを1回お代わりしたら、チャラになってしまう量ですよね…だいたい、筋トレに夢中になっていて周囲から「筋肉バカ」と言われていたよっしーも2型糖尿病になったんです。
…運動を「過信」することがいかに危険か、お分かりいただけるかと。元プロ野球選手の清原和博さんも、若いころから本格的な筋トレをしていましたが、糖質が好きで糖尿病になりましたよね。
じゃあ運動は無意味かというと、決してそうではないのです。運動するのは「カロリーを消費して痩せるため」というだけではありません。
運動は骨を丈夫にします
骨を丈夫に保つことは、特に中高年以降の方の健康にはとても大事です。年配の方が転倒して大腿骨を骨折すると、そのまま寝たきりになってしまう可能性が高いとのこと。実は、よっしーの母方の祖母もそうでした。
骨を丈夫にして骨粗しょう症を防ぐためにはカルシウムを補給すればいいと思うかもしれませんが、じつは骨の材料のメインとなるのはタンパク質です。
年配の方こそ、ご飯や野菜だけでお腹をいっぱいにしている場合ではなく、タンパク質をしっかり摂取しなければいけないのですね。
また、いくら食事をしっかり摂っても、骨への刺激がなければ骨は丈夫になりません。せっかく摂取したカルシウムもタンパク質もムダになってしまいます。
筋トレや軽いジョギングなど、骨に衝撃や刺激を与えるような運動を行いながらしっかりと栄養を摂取することによって骨は丈夫になります。
よっしーはガッチリ骨太で、骨密度・骨ミネラルの検査結果は女性にしてはかなり高かったです♪骨折したことは1度もないです。
…若い頃は、ほっそり華奢な骨格になりたいと思ってたんですけど、健康が第一ですからね。
運動はインスリン感受性を高めます
また、定期的な運動、特に有酸素運動はインスリン感受性を高めます。まだインスリン注射をしていた頃、筋トレをしても注射量がなかなか減らせなくて困っていましたが、ジョギングを開始したら翌朝の血糖値が70台になってあわてて量を減らしました。
インスリンは血糖値を下げてくれる唯一のホルモンで、体にとって絶対に必要なホルモンですが、多すぎると動脈硬化・老化現象・ガン・認知症などのリスクを高めることが分かっています。
インスリンが分泌されていても肥満や運動不足でインスリンの効きが悪いと、その分、すい臓のベータ細胞は通常の2倍も3倍もインスリンを分泌してカバーしようとします。
そのうち、無理をしすぎたベータ細胞はどんどん死んでいき、糖尿病になってしまうんですね。
残念ながら、現代の医学ではまだ「死んでしまったベータ細胞」を元通りにする技術は実用化されていません。今後、その治療法が待たれます…
有酸素運動は血管を柔軟にします
運動の中でも有酸素運動は、血管を柔軟にして、動脈硬化の予防と改善に効果があります。また、HDLコレステロールを増やす効果も期待できます。
筋トレしかしていない方は年齢の割に血管が硬くなっている可能性がありますので、有酸素運動も行うようにするといいですね。
よっしーは糖尿病患者で、ただでさえ同年代の健常者の方よりも血管が脆くなっているはずなので(糖尿病患者の血管は老化が進みやすいと言われます)、無理はせず、中強度の筋トレと軽いジョギングを行っています。
ジョギングはちょっとしんどいという方は、速めのスピードでウォーキングするだけでも効果があるそうですよ。
ヒザや腰に不安のある方はまず医師に相談の上、水中ウォーキングなど、できる範囲で運動することが大事です。ケガがあっては困りますからね。
まとめ:過信せずに楽しく運動しましょう
運動で食べすぎた糖質をすべて消費してしまうのは、とても大変なことです。仮に激しい運動を長時間行って、食べた糖質をすべて「チャラ」にするとしても、食べた糖質の約半分はいったん肝臓で処理されます。
運動するとしても、まず肝臓が食べた糖質を処理しなければいけなくて、この処理がそれなりに肝臓に負担をかけているのではないかということです。
よっしーは糖尿病と診断されたとき、腹部CTで脂肪肝と言われました。その後、腹部エコーでもやはり脂肪肝があると言われてしまいました…
さほどお酒を飲んでいたわけでもないのになぜ?とその時は思いましたけど、日本人はアルコールとは無関係の原因(糖質の食べ過ぎなど)が原因の脂肪肝のほうが多いんですって。
もちろん、現在は脂肪肝は解消していますよ。中性脂肪も先日の検査で47でした。中性脂肪が高い方はまだ糖尿病ではなくても注意してくださいね!
人類の長い歴史の中で食べ物が思うように手に入らないことはしょっちゅうありました。そのため、肝臓が「糖新生」によって糖を作り出す作業はお手の物なのですが、「糖質を過剰に食べすぎる」ことはごく最近までなかったので、肝臓は耐えきれないのかもしれません。
ちなみに、果物に含まれる果糖はダイレクトに中性脂肪に変わります。果物の食べすぎにも注意が必要です。
運動は大事ですが「過信」するのはいけません。また、持病や関節などに問題のある方は必ず主治医に相談して、無理のない範囲内で行いましょう。
「痩せるために走る」のは確かにムダかもしれませんけど、運動には痩せること以外のメリットがたくさんあるんです♪