糖質オフなお酒は好きなだけ飲んでも大丈夫??
先日「糖質オフな種類を選べばお酒は好きなだけ飲んでも大丈夫なんです」とおっしゃる方を見かけてビックリしちゃったよっしーです。
確かに「糖質」という点のみに注目すればそう思いがちですけど、本当にそうでしょうか?アルコールは糖質とは無関係に、体に悪影響を与えるのでは??
『酒は百薬の長』なんて言葉もありますが、では生まれつきお酒が一滴も飲めない人がアルコール不足により何かの病気を発症しやすくなる話を聞いたことがありますか?
犬は間違ってお酒を舐めてしまったら死んでしまう可能性があります!猫も一緒です。彼らの体にとって有害にもかかわらず、ヒトがお酒をうっかり置いておくと飲んでしまうことがあるとか。
アルコールはヒトの体にとっても強烈な毒です。まずアルコールは肝臓でADHという酵素によって有毒なアセトアルデヒドに変えられ、ALDHという酵素によって無害な酢酸に変えられます。
ALDHのうちALDH2という酵素は、なんと日本人の44%が「まったく持っていないか、持っているけど働きが弱い」んです。
しかもそのような男性は脳梗塞を発症するリスクが2倍だそうですから、これはもう本当に気を付けなければいけません。生まれつきなので「鍛える」ことはできません。
ドイツやフィンランド、ノルウェーの方たちはこういうALDH2の欠損はなく、インド人はたったの5%だそうです。日本人はお酒に弱い民族と言えますね。
そうか日本人は特にお酒に弱いのか…そしてオレたち猫はもっとお酒に弱いのでみんな気を付けてくれよな!
罪のないペットが飼い主さんが放置したお酒を間違って飲んでしまったら大変よ!!
糖質制限ダイエット中にお酒を飲むとどうなる?
健康な人が糖質制限ダイエットを行っても低血糖にならないのは、主に肝臓でアミノ酸やグリセロールを材料にして「糖新生」が行われているからです。
しかし糖質制限ダイエット中にお酒を飲みすぎると、肝臓はアルコールという毒物の処理で手いっぱいなため糖新生がブロックされてしまい低血糖気味になることがあります。
よっしーはちょっと長時間歩いて帰って来ただけで血糖値が70台まで下がったことがあります。糖尿病なのでめったにこんな低い数値にはならないのに…
ではお酒を飲む時だけ適度に糖質を摂取すればちょうどいいんじゃないかと思いがちですが、必ずしもそうではありません。
肝臓にグリコーゲン(すぐ使える形でしまってある糖質)が豊富にある時は、アルコール摂取によってこれがブドウ糖に変わりやすいのでかえって血糖値が上がります。
アルコール自体は「エンプティカロリー」とも言われるように体内で最終的に水と炭酸ガスになるのでほとんど太る原因にはなりません。
ただしアルコールと同時に摂取した食べ物はいつもより体脂肪になりやすいんです…飲酒時は、肝臓は何よりもアルコールの分解という仕事を最優先で行いますので他は後回しになるのでね💦
飲酒時はナイアシン(ビタミンB3)が大量に消費されますので、おつまみはナイアシンが豊富なカツオ、マグロ、レバーなどがいいでしょう。
肝臓のほか腎臓でも糖新生が行われることなどから糖質制限中に飲酒をしても「危険なレベルの低血糖」になることはあまりありません。
ただし激しい運動を行ってグリコーゲンを使い果たした後や一気に大量のお酒を飲んだ時などはアルコール性低血糖(気味)になりやすいです。
糖質制限しながら運動することに慣れている方は、運動中にグリコーゲンをあまり消費しないで脂質をエネルギーとして使うように体が適応しています。
そのような方がアルコールを多めに飲むと、骨格筋で局所的な低血糖が起こり、筋肉の脱力が生じるのではないかとのことです、気を付けましょう💦
お酒を利用して食後高血糖を防げる!?
血糖値を測定しないで糖質制限中に飲酒をすると、糖新生がブロックされて低血糖気味になったり逆に「飲むから大丈夫だろう」と油断して食べ過ぎて高血糖になるかも。
それではよっしーのようにFreestyleリブレを使用して血糖値の変動をモニタリングしながらアルコールを利用して外食時の血糖値をコントロールしようというのはどうでしょう?
下の図は、よっしーが昨夜ママ友たちとの飲み会(どうしても断れないやつw)に参加した時のFreestyleリブレのグラフです。
どんなに気を付けていても外食では調味料によりある程度糖質は摂取してしまいますので、普段は飲まないアルコールで適度に食後血糖値をコントロールできればいいなと思いました。
料理は焼き鳥やサラダ、チーズなどの糖質オフな居酒屋メニューを少しずつちびちびと食べました。最初の乾杯で甘くないハイボールをグラス1杯。
その後「あ、ちょっと血糖値が上がってきたかな?」というタイミングでもう1杯飲みましたが、うっかりコークハイボールをチョイスしてしまい、飲んだ後に血糖値がMAX158まで上がりました💦
コークハイボールは普通のコーラで割ってあるので、アルコールによる糖新生ブロック効果よりもコーラによる血糖上昇効果の方が勝ってしまってこのような変動になりました。私としたことがッ!!
この後は血糖値の乱高下もなく、朝までずっと安定していたのでほっとしました…特に糖尿病患者の場合、飲酒時は低血糖にも高血糖にも気を付けなければいけません。
「リブレで血糖値の変動を見ながらアルコールで血糖値の上昇を適度に操る」のは可能ではありますけど、これはあくまでも血糖値のことだけを考えた応急処置。
そもそもアルコールの多飲自体が決して健康に良いことではないということを忘れてはいけません。毎日飲んでいる方はくれぐれもご注意くださいね。
なお、肝臓に関する健康情報は肝臓専門医の尾形哲先生をツイッターでフォローするといいですよ。いつも勉強させていただいてます♪
お酒の飲みすぎで糖尿病を発症する!?
日本人を対象とした研究で、1日あたり23g以上のアルコールを摂取する男性は明らかに糖尿病発症のリスクが高まることが判明しました。
※この調査では女性の飲酒者が少なかったため、飲酒量と糖尿病リスクの関係は見られませんでした。
ちなみに23gのアルコールの目安は、下の図をご覧ください。この図は武田薬品工業(株)様のサイトからお借りしました。
表にはありませんが、いま人気のストロング系の糖質オフなお酒は500ml1缶で約36gのアルコールを含んでいます💦
しかも体重を考慮すると、肥満男性では飲酒してもしなくても糖尿病発症率はそれほど変わらなかった(おそらく、肥満者では飲酒しなくても糖尿病の発症リスクが高い)のに対してBMI22以下の痩せ型男性では飲酒が明らかに糖尿病のリスクを上げました。
長期間飲酒を続けると慢性すい炎になりインスリンの分泌量が低下するという報告があり、痩せ型の方はもともとインスリンの分泌能力が低い(=太れない体質)せいかもしれません。
現在すでに糖尿病を発症している方や糖尿病家系の方はもちろんですが、痩せの大食いタイプの方も決してお酒を飲みすぎないほうが良さそうですね!
また糖尿病の方は、飲酒によって合併症の糖尿病神経障害が進行しやすいことも分かっています。足の指がちょっとチクチクする程度ならまだマシなほうで、最悪の場合は突然死もあります💦
やはりお酒には気を付けなければ!
子供や妊婦さん、その他絶対にお酒を飲んではいけない方はいらっしゃいます。しかし健康な大人であれば、まぁたまには適量のお酒を飲む機会もあると思います。
でもやっぱりそれは健康に良いものではありませんし「適量」と言われている量を守れていない方も多いのではありませんか?
「糖質オフな種類を選べばお酒は好きなだけ飲んでも大丈夫」だなんて、とんでもないことです!!アルコールの過剰摂取はがんのリスクも上げます。
糖質制限をしている方がお酒を飲む場合は低血糖気味になることもあるので十分に気を付けてください。できれば血糖測定をするといいですね。
そして糖質オフだろうとそうでなかろうと、アルコール自体が健康に影響があるものだということを忘れずに、適度な付き合いを心がけないといけませんね。
糖質と同じようにアルコールにも強い依存性があるから大変だけど、頑張ってくれよな!
自分が依存症かもしれないと思う方はひとりで悩まずに一歩踏み出してみましょう!
♪よろしければ併せてお読みください♪
→持病がある方の糖質制限に関する過去記事まとめ(クリックで記事へ)