日本人たちよ、何もかも「昔のほうが良かった…」というのはいかがなものか?

本当に「昔は良かった」と言えるのかなぁ…

世の中が色々と変化すると「ああ、昔は良かったなぁ…」と言いたくなる方たちは必ずいらっしゃいます。よっしーもそんなことがないわけではありません。

しかし、何もかも現代がダメで昔の方が良かった、昔は正しかったかのように語るのはちょっと言いすぎじゃないかと個人的には思います。

たとえば食事。「昔の日本人には肥満や糖尿病患者がいなかった!だから昔の和食が正しいのだ」とよく言われますよね。

確かに昔は、庶民はお腹いっぱい食べることはできなかったので肥満はかなり少なかったでしょうねぇ、労働も現代とは比較になりませんし…

でも平安貴族の藤原道長とその一族の数人は2型糖尿病だったと言われていますし、織田信長は甘いものが大好きで糖尿病合併症の神経障害に悩んでいたのではないかと言われますよね。

江戸時代中期にはすでに、香川修徳が「一本堂行全医言」の中で糖尿病合併症についてかなり正確な記録を残しているのでそれなりに糖尿病患者はいたらしいんですよね。

糖尿病患者のうち95%を占める2型糖尿病は中年以降に発症する人が多い病気ですから、平均寿命が短かった時代に患者がかなり少なかったのはある意味当然のこと。

そういう事情を無視して本当に「昔は良かったので昔の生活に戻ろう」というのが正しいのかどうかについて今回は考えてみましょう。

にゃご
おい、昔の人って健康的に長生きしていたんか?

よっしー
残念なことに、ごく最近まで日本人の平均寿命はとても短かったわ。でもそれにはいろいろな原因があるので、何かひとつのせいというわけじゃないの。ただ短かったのは事実ね。

確かに現代人は運動不足だ!

「現代の日本の食事は欧米化していてけしからん」という方も多いです。中には「糖質は悪くない、悪いのは脂質だ!」とおっしゃる方まで…

でもそれでは、22歳ごろからずっと脂質制限をしていて肉より魚が好きで玄米食をしていたよっしーが妊娠糖尿病から2型糖尿病になった理由の説明が付きません。

何しろバターやマヨネーズは極力使わず、ドレッシングはノンオイルの青じそドレッシング、鶏肉はササミが好きで皮は外して捨てていたぐらいですから💦 まさか「サンマやサバの脂が糖尿病の原因だ」と言うんじゃないでしょうね?

糖質だけでも糖尿病の原因になります。体内で余ったブドウ糖はインスリンの作用で中性脂肪に変えられ、脂肪肝などの原因になります。

昔の人たちは激しい労働をしていた上、米だってお腹いっぱい食べられたわけではありませんでした。貧しい農民の中には、年貢として取られてばかりで自分が作った米を食べていない者もいました。

庶民が1日3回、食べたいだけ白いお米を食べられるようになったのは本当にごく最近のことです。それを「日本人は大昔からずっとお米を食べてきたので…」というのはちょっと違うかも。

それに「昔の日本人が…」と言うなら、縄文時代後期までは日本人は米や小麦はまだ食べておらず、肉や魚、木の実、葉っぱなどを食べて暮らしていました。

縄文時代はなんと1万年も続いた平和な時代で、縄文人の3人にひとりは65歳以上まで生きたのではないかと考えられています。

昔の日本人はお米を食べていましたがもっと昔の日本人はそうではありませんでした。しかも、昔の人は現代人と比較にならない位労働していました。

労働量が激減したにも関わらず、食生活だけちょっと昔の日本と同じに戻したとしても健康上の問題は起きるでしょうね。

藤原道長は欧米的な食事など食べていなかったはずですが、糖質をしっかり食べてあまり運動しないからもともとの体質もあって糖尿病になったのでは?

そして現在長生きしている高齢者の方は、その食事のおかげで長生きしているのかどうかは分かりません。体質により、その食事が合わない方たちは若くして亡くなって「脱落」しただけかも?

食の欧米化によって身長が伸び、脳出血が減った

戦後、日本の食生活が「欧米化」したおかげで日本人の平均身長は急激に伸びました。なんと江戸時代の人たちは縄文時代よりも身長が低かったことは有名です。

お米ばかり食べても身長は伸びないという事ですよね…縄文時代の人が好きなだけ肉を食べることができていれば、彼らはもっと長身になれたのではないかと想像します。

そして動物性タンパク質の摂取量が増えたことにより血管が丈夫になり、脳出血が減りました。そのかわり糖質+脂質の合わせ技によって脳梗塞は増加しましたけど💦

「食の欧米化が悪い」というのは、ある意味正解なのです。現代の日本人のほとんどは糖質制限ではなく「普通に糖質を摂りながら脂質も大量に摂取する生活」をしています。

縄文時代のように主食を食べず肉や野菜の生活なら問題はなかったのに、糖質と脂質を同時に大量に摂取するようになり、ある意味糖質「だけ」食べていた頃よりさらに事態は悪化してしまいました。

糖質を単独摂取してもインスリンの分泌により余った糖質が中性脂肪に代わります。昔の人は労働していたので、摂取した糖質は消費したグリコーゲンを補充するのに使われたので余りませんでした。

しかし現代人はロクに動きもしないのに「昔の日本人は糖質を食べていた」「脳にはブドウ糖が必要らしいから」などと言って必要以上に糖質を摂取します。

その上脂質まで同時に摂取すれば、糖質も脂質も余って大量の中性脂肪となり、これが肝臓に蓄積すると脂肪肝となります。

昔の生活に戻すなら食事だけでは意味がない

食生活の欧米化と医学の発展により、日本人の平均寿命は戦後ぐぐっと伸びました。その代わり、長生きするがゆえに糖尿病・がん・認知症の患者も当然増えました…

昔の日本人はかなり労働していたので、糖質に偏った食事でもとりあえず糖尿病や肥満にはなりにくかったのです(ただしそれ以外の病気にはかかったでしょうし、寿命も短かった)。

「昔は良かった」というのであれば、昔の食事だけを真似するのではなく昔の人と同じぐらい労働しなければ結果は同じにはならないと思います。大昔の果物は品種改良された甘いものではなかったですしね。

それに、日本人が1日3食食べるようになったのは江戸時代になってからで、それ以前は1日2食が当たり前だったんですよ。そこまで真似することができますか?

私たちが糖質制限ダイエットをするのは、何も縄文時代に帰ろうとしているからではありません。当時の人たちが子供も妊婦さんもみんなそういう食事を実践していたことから、安全だとは言えそうですけどね。

現代日本ではライフスタイルの変化により、昔のように1日中せっせと体を動かしているわけにもいきません。だから「労働で糖質摂取をチャラにする」という方法が使えないのでそれ以外の方法を考えたら縄文式に行きついただけです。

薬も予防接種も、昔は何もかもありませんでした。どんな方でも現代のいろいろなものの恩恵は受けているはずです。

必ずしも「昔の方が良かった」とは言えないかもしれないという事を忘れないようにしましょうね♪

にゃご
昔なら諦めるしかなかった病気も、現代は治せるようになったものがたくさんあるよね。

よっしー
白米ばかり食べていた人たちがかかった脚気(かっけ)も、今はほとんどなくなったわね。

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