食生活と妊娠出産にどんな関係があるのかな?
以前NHKニュースを見ていると、赤ちゃんが欲しいけどなかなかうまくいかなくて…というご夫婦の話がありました。
実は、よっしーは結婚後すぐに妊娠しましたが、赤ちゃんが育たなくて稽留流産となり、手術を受けました。とても辛かったです…
しかもその後はなかなかホルモンが安定せず、再び妊娠するまでちょっと時間がかかってしまいました。
そして糖質制限ダイエットを始めてから知ったのですが、実は、糖質中心でタンパク質や脂質が不足気味の生活を送っていることが、なかなか妊娠しにくい原因のひとつになるそうです。
たくさんのクリニックで、赤ちゃんがなかなか出来ない方たちに糖質制限指導が行われているようですね。想像以上でした。
もちろん、これはあくまでも「原因のひとつ」なのであって、食事を改善すればすべてうまくいくということはありません。食事とはまったく無関係の病気が原因で妊娠しにくいこともあります。
でも病院に行っても原因が分からないという場合に、食事を見直すことで妊娠しやすくなるのであれば、やってみる価値があると思いませんか?
太りすぎだと赤ちゃんが出来にくい理由は?
女性は、痩せすぎでも太りすぎでも赤ちゃんが出来にくいと言われます(痩せすぎについては後述します)。妊娠するための「ちょうどいい体型」というものがあるわけです。
一見、痩せすぎよりは太っているほうがまだ健康的に見えなくもないですが、なぜ太りすぎは良くないのでしょうか?
肥満になるとインスリンの感受性が低下し、排卵が起こりにくくなります。ただの肥満だと思っていても、PCOS(卵胞が卵巣の中にたくさんでき、ある程度の大きさにはなるのですが、排卵がおこりにくくなる病気)である場合も。
一般的に、PCOSには糖尿病薬のメトホルミンが効果を発揮します。糖質制限ダイエットでPCOSを克服した女性もいらっしゃいます。
また、受精した後も、肥満の女性のほうが流産しやすいと言われています。もちろん特に原因と思われることがなくても、流産になってしまうことはたびたびあるんですけどね…その確率が高くなるとのこと。
妊娠できても、元々肥満だった女性はどうしても妊娠糖尿病などのトラブルも多くなってしまいます。太りすぎだと自然分娩ではなく帝王切開になることもあるそう。
よっしーの長男は逆子+首部分の二重臍帯巻絡だったので帝王切開になりましたけど、そういうトラブルさえなければお腹を切りたくないと思う方が多いでしょう?
妊娠する前に肥満を解消しておいた方がいいですよね。痩せていても妊娠糖尿病にはなりますけど、少しでもリスクは少ないほうがいいに決まっています。
産婦人科医の宗田哲男先生によると、生理不順で悩んで治療にくる肥満の女性はたいてい、メロンパンとミルクティーで1食済ませるなど糖質が大好きで肉はあまり食べていないことが多いそうですよ。
それでは妊娠しにくくなるでしょうし、妊娠した後も赤ちゃんの発育が心配ですよね。一般的に「ヘルシーな食事」というと野菜や果物をたくさん食べることばかりイメージしやすいですが…
もちろん痩せすぎも良くありません
太り過ぎだけではなく、痩せすぎもよくありません。具体的に言うとBMI18以下(身長160cmの女性なら約46kg以下)が目安です。
体脂肪量が少なすぎると、女性ホルモンの関係で排卵が起こりにくくなります。
女子マラソン選手たちは、体脂肪が少なすぎて生理が止まっていることが多いそうです。体脂肪が少なすぎるだけではなく、激しい運動をやりすぎることで大量の活性酸素が発生し、正常な精子や卵子を傷つけて赤ちゃんが出来にくくなる原因になるそうです。気を付けなければいけませんね。
もともと太りにくい体質だけど元気よ~という方はいいのですが、問題なのは、痩せたくて栄養不足になるような無理なダイエットを行っている場合です。
無理なダイエットで痩せすぎると、体はまず生命維持に関係ない部分から切り捨てて生命を守ろうとします。
以前、「私はガリガリになりたいの、標準体重なんてデブすぎるから、たとえ病気になってもガリのほうがマシ!」と言っている女性がいらっしゃいましたが、その方は妊娠を希望されていたので、とても心配です…色々な意味で。
体重がちょうど良くても栄養不足だと赤ちゃんが心配です
太りすぎでも痩せすぎでもなく、無事に妊娠しても、糖質の多いものばかり食べて肉や魚などのタンパク質や良質の脂質をしっかり食べていないと、赤ちゃんの発育にも影響が出ます。
日本人女性の場合、妊婦さんの30~40%が貧血だそうです。これは先進国の平均である18%と比べるとかなり高い数字ですよね。なんといっても、肉を食べる量が違いますからね…
よっしーはレバーやほうれん草はよく食べていましたが、次男を妊娠中に「軽い貧血だね、まぁ鉄剤を出すほどではないけれど」と言われました。
妊娠中は、赤ちゃんに栄養を取られるのでお母さんは貧血気味になります。もともと貧血気味だった女性が妊娠したら、赤ちゃんにも十分な鉄分をあげられないのでは?
ちなみに、精神科医の藤川徳美先生によると、タンパク質が足りてない状態で鉄剤だけ飲んでもほとんどムダだそうです。日本人女性に貧血が多いのも、このあたりが関係していそうです。
また、妊婦さんの食事はカロリーを増やす必要があるため、ご飯を増やして調整するようになっていますよね。妊娠後期だと450kcalぐらい余計に摂取しなければいけません。
でも、赤ちゃんの脳や体ってタンパク質や脂質からできているんですが…もともとタンパク質や脂質の中には、体内で合成できないので食事から摂取しなければいけない種類がたくさんあります。
妊娠中は赤ちゃんにもそれらが必要なので、ご飯ばかり食べている場合じゃなく、まず優先しておかずをしっかり食べるべきだと思います。
妊娠糖尿病にならないための食生活
よっしーは2度の妊娠で2度とも妊娠糖尿病になりました。もともと糖尿病になりやすい体質を父から受け継いだせいでしょうね。
しかし、食事を改善していれば、妊娠糖尿病を発症しなかったかもしれません。産婦人科医の宗田哲男先生のところには、1度目の妊娠では妊娠糖尿病になったのに2度目は妊娠糖尿病にならなかった(OGTTで完全に正常値!)女性たちがたくさんいらっしゃるそうです。
妊娠すると胎盤から出るホルモンのせいでインスリンの効きが悪くなり血糖値が上がりやすくなりますが、おかしいと思いませんか?
妊娠中に血糖値が上がりやすくなって多くの女性が妊娠糖尿病になるのは、生存上明らかに不利なことであるはず。日本人女性の場合、妊婦さんの8~12人にひとりは妊娠糖尿病になります。
つまり、糖質中心の食生活は、本来、ヒトの女性の妊娠出産には適していないのではないかということです。だって太っていない女性も、食べすぎていない女性も高い確率で妊娠糖尿病になるんですから。それが自然の摂理なんてヘンです。
健康な妊婦さんであれば、大量に糖質を食べなくても低血糖にはなりません(ただし、つわりがひどくて肉もほとんど食べられないような状態では低血糖になることがあります)。
それよりも、赤ちゃんが本当に欲しがっている栄養をしっかりあげたいですよね。
まとめ:まずタンパク質と良質の脂質を優先的に食べましょう
これから赤ちゃんが欲しいと考えている女性は(できればご主人も一緒に)、まずタンパク質や良質の脂質を優先的に食べ、糖質は食べすぎないように気を付けましょう。
妊娠出産が可能な年代の女性は貧血気味であることも多いので、1度血液検査でフェリチン測定をしておくといいです。よっしーは糖尿病内科で、血液検査のオプションでフェリチン測定をしてもらっています。
フェリチンが低い(=隠れ貧血)ことが分かったら、鉄剤で貧血を解消してから妊娠するように心がけたいですね。
そして、太りすぎでも痩せすぎでもないちょうどいい体型をキープしましょう。適度な運動は体に良く、ストレス解消にもなりますけど、過度の激しい運動は活性酸素を大量発生させるので避けましょう。
子育ては大変なこともありますけど、子供ってとても可愛いです。赤ちゃんが生まれたら、親子で健康的な食生活を心がけていきましょう。