1日1回注射をするだけで痩せるGLP-1ダイエットって!?
2018年7月31日にテレビの『ザ!世界仰天ニュース』で「GLP-1」を利用したダイエットに成功したアメリカ人女性を紹介していました。
GLP-1とは、消化器官に食べ物が入ってくると分泌されるホルモンで、すい臓のβ細胞から血糖値を下げるインスリンというホルモンを分泌させます。
GLP-1には胃から食物が腸の方へ送られるスピードをゆっくりにしたり、食欲を抑える働きもあるのでダイエットにこれを利用できないか?というわけです。
番組を見て「わぁー、私もこの注射を使ってヤセたいわぁー!」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
でもちょっと待ってください、よっしーは糖尿病患者なのでGLP-1については以前からすでに知っていました。
GLP-1というホルモンは、2型糖尿病患者では健常者よりも分泌されにくい状態になっており、またという分解酵素によってすぐに分解されてしまいます。
だからDPP-4の働きをジャマしてやろうという発想の飲み薬「DPP-4阻害薬」を糖尿病と診断された当初よっしーも医師から処方されて飲んでいました。
しかし発売当初は「血糖値が高い時だけインスリンを分泌させて血糖値を下げてくれる夢の新薬」と騒がれたDPP-4阻害薬も、その後心血管系・骨代謝・免疫系などに影響を与えて重大な副作用が起こることもあると分かってきました。
そもそも体内でGLP-1が速やかにDPP-4によって分解されるようになっているのは、ずっとそれを働かせておくことが何らかの危険を及ぼすからではないのでしょうか?
また内科医の水野雅登先生によれば、この薬を使用していて眼底出血する患者がしばしばいるとのこと、私もその一人なのです。それで使用をやめたんですよ。
糖尿病患者でも慎重に服用しなければいけない薬を、ダイエット目的で気軽に飛びついて大丈夫なのか?と疑問に思います。
GLP-1ダイエットは本当に安全なのか?
GLP-1をちょこっと改造してDPP-4に分解されないようにしたビクトーザは、1日1回自分でお腹などに注射します。
普通はビクトーザ1本で20日分、この記事を書いている時点で価格は10245円です!1か月あたり15368円になりますね、全額自己負担なら。
動物実験ではこのビクトーザの使用によって甲状腺の腫瘍が増えたのですが、今のところヒトでは腫瘍マーカーは増加するものの大丈夫らしいということになっています。
しかし長期的に使用して本当に大丈夫なのか、やっぱり不安ですよね!?どんな薬にも必ずリスクが存在するわけですからね。
それと、食材の遺伝子組み換えに関しては異常に神経質になる方も多いのですが、ビクトーザもインスリン製剤なんかも遺伝子組み換えで作られてますよ、念のため…
この種の注射によって食欲が減って短期間に急激に体重が減った場合、胆管・胆のう疾患のリスクが79%も上昇したというデータがあります。
健康面への影響を考えると、ダイエット目的で安易に使用するのはどうなのかな…とよっしーは疑問に思うんですよね。
ちなみに糖尿病と診断されて16日間入院して退院するとき「ちょっと体重を減らしたいです」と主治医に言うと「じゃあビクトーザを使うかい?」と言われて慌てて断ったんですよ💦
日本でやるなら自由診療しかない?
GLP-1は「痩せホルモン」なんて言われていますし、確かに食欲をセーブする働きがあるので大食いの方には良いのかもしれません。
しかし日本では糖尿病の治療用としてしか認可されておらず、ダイエット目的で使用したい場合は一部のクリニックで「自由診療」を受けるしかないようですね。
ちょっと料金表を見たんですけど、1か月あたり13万円~15万円だとか!リスクも踏まえてこれだけポンと出せるなら別にいいんですけどね。
糖尿病ではなく単に肥満が原因でGLP-1の分泌が減ってしまっている方であれば、それだけお金があるならぜひ糖質制限ダイエットで肉やMCTオイルなどを上手に活用して、自然と標準体重まで落としたいもの。
GLP-1の注射がアメリカで肥満の治療薬として承認されたのは2014年12月のこと、まだまだ新しい薬なんです。だからずっと使い続けても安全なのかどうかは、まだ分からない部分もあるんですよね。
またヒトの食欲は非常にいろいろな要素に左右されるので、GLP-1だけによって決まっているわけじゃないんです。これを忘れてはいけませんよね。
日常生活の中で少しでもできることはないの?
日本では、糖尿病ではない方がGLP-1ダイエットを行うのはまだまだ難しいと言えます。でも日常生活の中で何かできることはないでしょうか?
実は、食事の際にいきなりご飯やパンを食べるのでなく、タンパク質(肉、魚、卵、チーズなど)を先に食べることによってGLP-1は分泌されやすいと考えられています。
ただ、いくらGLP-1がインスリンを分泌させて血糖値を下げるからと言っても、インスリンが多く分泌されると摂取した糖質が体脂肪として蓄えられやすくなるので結局意味がないかも!
だから、タンパク質をしっかり摂取することはもちろんですが、やはり糖質も制限しなければいけないんですよね。
GLP-1ダイエットは他のどんなダイエット方法でも食欲をセーブできずに食べすぎてしまって困っている高度肥満の方向けのダイエットかも。
そこまで太っているわけでもないしめちゃくちゃ大食漢なわけでもない…というみなさんは、食事の「質」を変えるように意識していきましょう♪