糖質制限ダイエットで減るのは水分と筋肉なの?
以前とあるネットニュースに「糖質制限ダイエットをしても、減るのは水分と筋肉だけなので意味がありません」「筋肉を減らさないために、適度に糖質も摂らなければ」とあり、びっくりしてしまいました。
その文章を書いたのは管理栄養士さんです。20年前なら確かにそれが常識だったかもしれませんが、いまだにアップデートできていないんですね💦
糖質制限ダイエットを始めると最初に余計な水分が抜けて一気に体重が減ることがあるのは事実ですが、長期間ダイエットを続けて15キロとか20キロやせた人もいるのに「減ったのはすべて水分と筋肉です」と言うのでしょうか!?
家庭用の体脂肪計はそもそもあまり正確とは言えませんけど、それでも毎朝測定した数値を平均すると、私はここ6年弱で筋肉量は少しも減っていないんですけど…
Twitterにも、おそらく「糖質制限すると筋肉が落ちます」とおっしゃっている管理栄養士さんよりずっと筋肉が多いであろう糖質制限トレーニーさんはたくさんいらっしゃいます。
最近の研究では、タンパク質を十分に摂取していれば筋トレ後にも糖質の補給はまったく必要ないことが証明されています。
糖質制限で水分と筋肉しか減らないっていうのは、ものすごい思い込みだニャア!
私もフィットネス指導者をしていた頃はそう思っていたからあまりエラそうなことは言えないんだけどね💦昔の話よ。
野生動物はどうでしょうか?
理論的なことを書く前に、まずちょっと想像してみてください。野生のライオンや農耕が開始される前のヒトのご先祖様はみんな、ご飯を食べないので水分や筋肉が落ちてガリガリでしたか?
縄文時代の人は現代人よりも筋肉質でがっちり体型だったうえ、3人に1人は65歳以上まで長生きしたらしいことが分かってきたんですけど…
だいたい、水分や筋肉が減ってヨレヨレの状態であれば無事に子供を産み育てることなど到底不可能だったでしょうね。粉ミルクも何もない時代に。
野生において、思うように獲物が獲れずに丸一日なーんにも食べられないことなどザラにあります。
野生に生きる彼らはそれで筋肉が落ちていますか?そんなに弱かったら、野生ではとても生きていけないでしょう。
「1日3回、たっぷりと糖質を摂取しないと脳も筋肉もダメージを受けてしまう」としたら、現代人ってなんとひ弱で頼りない、生存能力の低い生物であることか…
糖質制限をしているある友人は、職場のどうしても避けられない餅つき大会に参加したら一気に体重が2kgぐらい増えてとてもショックを受けていました。
これは糖質摂取によって「浮腫んだ」ということです。糖質制限で水分が最初に抜けるのは浮腫みが解消されるだけで、その後ずーっと水分が抜け続けるわけがありませんよね。
フィットネスの本にそう書いてあったから?
私も若い頃は筋トレに夢中になっていましたから、ほとんどのフィットネス関係の書籍や雑誌に「インスリンを分泌させて筋肉の合成を促しましょう」と書いてあるのは知っています。
ただ、当時は「本に書いてあるからそうなのだろう」と思っただけで、実際に糖質を制限してみたことは1度もありませんでした。
つまり「本に書いてあるからこうに違いない」と決めつけていただけで、実際に自分が糖質制限してガリガリになった経験は1度もないんです。
ちなみに「月刊マッスル・アンド・フィットネス日本版」がいちばん好きな雑誌で愛読していました。アメリカの独特のノリをそのまま日本語にしているところがたまらなく好きで♪
そして糖尿病が発覚して仕方なく始めた糖質制限ダイエットで「あ、筋肉は落ちてない」ということに気付いたわけ。
自分が病気になるなど、何かよほどの強いキッカケでもない限り普通は本に書いてあることを疑ってみることはあまりないのではないでしょうか?
30年ぐらい前の教科書で学んだことをいまだに覚えていて「脳の唯一のエネルギー源はブドウ糖です」と言ってしまう栄養士さんもいらっしゃいます。
どうか、新しいことをどんどん勉強していただきたいなと思います。昔の常識はどんどん変わっていきます。
間違った糖質制限ダイエットでは筋肉は減ると思います
私はかつて「タンパク質の摂取量が多いと血糖値が上がる」と聞き、当時はまだそのことで悩んでいたのでタンパク質の摂取量を1日当たり40g程度に減らし、その分脂質を増やしてみたことがあります。
確かに体重はどんどん減り、血糖値も下がって喜んでいたのもつかの間、1週間ぐらい経つころから明らかに筋肉量が減り始めました。持病の糖尿病の病院の検査結果もガタガタになりました。
具体的に言うと、尿酸値が異常高値になったり、血尿が出ました。びっくりしましたけど、主治医から注意されてあわてて脂質を減らしてタンパク質を増やすとこれらの異常はすっかり消え、筋肉量も戻りました。
糖質制限ダイエットではタンパク質も糖新生の材料として使われますので、タンパク質が足りないと筋肉も減るのは当然のことと言えます。
早く痩せたいあまり、タンパク質まで減らしてしまって「筋肉が落ちた!」と大騒ぎしている方は絶対にいらっしゃると思います。
特に私はある程度タンパク質をしっかり摂取するほうが体質に合っているようなので、もうタンパク質制限は絶対にしません💦
ボディビルダーやアスリートと一般人は違う?
ボディビルやアスリートの方たちは本当に血のにじむような努力をなさっています。食事も運動もです。もしかしたら彼らは私たちと同じ食事では間に合わないのかもしれません。
彼らの努力は本当にすごいと思いますし、敬服します。しかし彼らは健康のためではなく記録のために頑張っているわけであり、健康を第一に考える一般人がそのまま真似して良いとは思わないのですよ。
「糖質をたっぷり補給しないと行えないような運動」は本来、ヒトの健康維持のために不可欠な運動のレベルを超えているのではないかと思ったりするのです。
ロカさんやドクターシミズ先生のように、糖質制限で問題なく長距離を走れるランナーの方もたくさんいらっしゃいますしね。
ただ何らかの理由で容易に低血糖になりやすい方もいらっしゃるので、その場合は主治医に指示された食事方法をきちんとお守りください。
あくまでも一般的に糖質制限をしても問題ない人に対して「糖質制限はダメだ!」というのは変なのでは?という話なのでね。
筋トレはした方がいいと思うけど、そのために良かれと思って糖質をたくさん食べるとかえって良くないかもしれないな!
本当にどうしてもそんなに食べないといけないのかをよく考えましょうね。
♪よろしければ併せてお読みください♪
→「糖質制限は危険!」と言われて不安になった方のための過去記事まとめ(クリックで記事へ)