尿酸って何?尿酸値が高いと痛風になるの?
みなさんは職場の健康診断などで「尿酸値」が高くて引っかかったことはありませんか?尿酸は体内で作られるエネルギー物質「プリン体」という物質が分解されてできる老廃物です。
また細胞の中の核酸という物質もプリン体で出来ているので、古くなった細胞を分解する過程で核酸からプリン体が出ます。
プリン体は食品にも含まれています。これらのプリン体は主に肝臓で分解され尿酸となり、尿や便と一緒に体外へ排泄されます。
尿酸は血液中に溶け込んでいますが、この量が増えると過剰な尿酸が結晶化して関節に溜まります。
この結晶の一部がはがれ落ちると,それを敵と見なして白血球が集まってきます。白血球が攻撃を始めて炎症を起こすと激しく痛みます(痛風発作)。
痛風の治療として、尿酸値が高くなるような食生活を改めたり、尿酸の結晶ができにくくなる飲み薬を服用したり有酸素運動(キツい筋トレは尿酸値を上げる可能性があります)を行います。
今までは、プリン体を多く含む食べ物(レバー・あんきも・カツオ・魚の干物・ビールなど)を控えることが尿酸値を上げないために重要だと言われてきました。
でも実は、これらの食事が尿酸値に及ぼす影響はじつはものすごく小さいかもしれないということが分かってきたのです。どういうことでしょう!?
尿酸値には食べ物はあまり関係がないことが分かった
アメリカで1万6760人を対象として解析したところ、何らかの食品による影響で上昇したり下降したと説明できる尿酸値の変化は0.06~0.99%にすぎなかったそうです。
一方、尿酸値の変化の23.9%がある遺伝子変異によって説明できました。つまり尿酸値には食事はほとんど関係がなく、遺伝子による生まれつきの体質が大きく影響していたのです。
尿酸値が高くなりやすいのは生まれつきの体質によるものが大きいにもかかわらず、これまで患者さんたちは「不健康な生活習慣によって発症した」と誤解されてきたんですね。
もともとプリン体は食品として体外から入ってくる量よりも、体内で発生する量のほうがずっと多いですし…ああ、これはまるでコレステロールと似たような話になってきたナ。
尿酸はただの老廃物ではなく、抗酸化物質として体内で重要な働きをしていると考えられます。だから決して、尿酸値は低ければ低いほど良いというわけじゃないんです。
よっしーは糖質制限を始めて肉や魚を食べる量が増えても、それで尿酸値が高くなったりはしませんでした。たいてい正常値のど真ん中ぐらいです。
でもこれまで2回ほど、尿酸値が異常に跳ね上がって9.6とかになり(基準値は7.0mg/dLまで)主治医を驚かせてしまったことがあります💦なぜでしょうか?
糖質制限中に尿酸値が異常に高くなった理由とは
よっしーが糖質制限を始めてから2度、異常に尿酸値が跳ね上がったのはいずれも「食事量を制限しすぎていた時」でした。
その時は「食べる量を減らせば血糖値も改善するだろう」と思って厳しいタンパク質制限をしていて…💦
糖質制限の江部康二医師によれば、摂取エネルギー不足の場合に尿酸値が高値になる患者さんが多いとのことです。断食中は尿酸値は急激に上昇するそうですよ。
痛風専門医の納光弘先生によれば、尿酸値を上昇させる要因としてストレス>肥満>大量の飲酒>激しい運動>プリン体の過剰摂取が考えられるそうです。
過去にすでに痛風発作を起こしたことがあるわけでないのなら、ストレス(極端なカロリー制限を含む)や肥満がないかどうか振り返ってみましょう。
肥満が良くないと言っても、極端に食事量を減らして一気に痩せようとすると尿酸値が跳ね上がることになりかねません、じっくりダイエットしましょう。
ストレスによる尿酸値の上昇は一過性のものなので、原因を取り除けば速やかに元に戻るそうです。糖質制限ダイエット中に急に尿酸値が上昇したら「カロリーまで減らしすぎていないか?」と振り返ってみてくださいね。