エビデンスっていったいどういう意味?
エビデンスとは、英語で「証拠・根拠・証言」などを意味する「evidence」を日本風に使っているものです。
大学受験の英単語のゴロ合わせの本に「これが証拠のエビでんす」ってエビのイラストと一緒に載っていたような記憶がw
で、医学の分野でエビデンスと言えば、ある治療法がある病気・怪我・症状に対して、効果があることを示す証拠や検証結果・臨床結果を指す言葉になります。
よっしーが糖尿病と診断されて糖質制限を始めた当時はまだ糖質制限に関するデータは今よりも少なかったので、主治医と次のような会話が交わされたのです。
エビデンス?ありますよホラっ♪
よっしーはあまりどこかの論文を引っ張ってくるのは好きではないんです。だって自分が調べたことじゃないっていうのがまずありますし、多くの方には当てはまっても自分には当てはまらないことだってありますからね。
でも、「糖質制限にはエビデンスがないじゃないか」という批判に対して「エビデンス?ありますよ、ホラ」と示すことには一定の意味はありますよね♪
昔は欧米の方を対象とした研究で糖質制限が良いというデータはあったんですけど「あっあれは欧米人には合うかもしれないけど日本人には合わないはずだ!」とされていたんだそう。
でも2014年に日本人を対象とした調査で、糖質制限とカロリー制限では糖質制限のほうがHbA1c(過去2か月ぐらいの血糖値の平均を反映する数値)と中性脂肪が大きく改善したという結果が出ました。
この研究では被検者たちに1日あたりの糖質摂取量を70~130gに制限してもらい、タンパク質や脂質は制限しなかったにも関わらずこれだけの差が出たというのは興味深いですね。
「糖質制限は高脂肪食だから心臓に悪いんじゃないか?」と思う方もいらっしゃるでしょうけど、ハーバード大学が82802人の看護師を20年間追跡調査した結果によると、糖質、とりわけ吸収が早く血糖値を上げやすい糖質を多く摂取する人ほど冠動脈疾患のリスクが上がると言う結果が得られました。
また動物性食品に多く含まれる飽和脂肪酸の摂取量は脳心血管疾患とは関係ないというデータがあります。糖質制限やMEC食では飽和脂肪酸の摂取量は多くなりますよね。
日本人9200人を29年間追跡した結果、糖質摂取比率の少ない群は、多い群と比較して心血管死と総死亡リスクが明らかに減っていたそうです。
上海で11万7366人を平均9.8年追跡したところ、男女とも糖質摂取量が多い群ほど心血管疾患の発症リスクが高いという結果になったそうです。
エビデンスがあっても絶対に認めたがらない方もいる
よっしーの主治医は素直な性格なので「糖尿病新薬にも長期間飲み続けても安全だと言うエビデンスは無いけど、副作用に気をつけながら使っているでしょ?」と言われると納得していました。
まぁぶっちゃけて言うと、よっしーがインスリンを打とうが薬を飲もうが糖質制限しようが、主治医のお給料は別に変わらんしなぁ…でもそれが大きな問題になる方々もいるわけです。
世の中には捻くれた方もいらっしゃるもので、上記の研究結果の数々を見ても「あれは研究デザインが悪い」などと難癖をつけて絶対に認めようとしないんだとか、やれやれ。
ただイチャモンをつけるだけなら簡単ですが、仮に医学の専門家の方であるなら公式の場で堂々と議論すればいいと思うんですけどね。ネットで匿名で「私は医師です」って書いている方は本当に医師かどうかわからないよ!?
あ、ちなみにアメリカで糖質制限で有名な1型糖尿病のバーンスタイン医師は、素人の自分が何を言っても相手にされないので40代で医学部に入学して医師になられたそうです。
凄い方です!バーンスタイン医師は12歳で糖尿病を発症してインスリン注射とカロリー制限食をなさっていましたがどんどん悪化して、30代の頃には糖尿病合併症がいくつも出てしまっていました。
そしてもう40年以上糖質制限を続けていらっしゃいますが、糖尿病合併症はすべて治り、80代の現在も医師として活躍していらっしゃいますよ。歩くエビデンスですね!
カロリー制限で健康になれるというエビデンスは存在するのか?
よっしーは糖尿病患者ですが、糖質制限が良くないとおっしゃる方たちはほぼみなさんカロリー制限食を勧めておられることと思います。
でも残念ながら、カロリー制限で糖尿病患者たちがみんな糖尿病が治ったとか、絶対に糖尿病合併症を発症しなかったとか、そういうすごいエビデンスは存在しないんですよねコレが。
もっとも、中には暴飲暴食や太りすぎの方がカロリー制限あるいは糖質制限で痩せたことによって糖尿病がほぼ寛解したという例はありますけど、多くの方に当てはまるとは言えませんものね。
日本では医学が進んでいるはずなのに、年間3000名が糖尿病によって光を失い、16000名が新たに人工透析を始め、3000人が足を切断しているという悲しい現実があります。
これらの方々が全員、糖尿病の治療をさぼって甘いものを食べまくっていたはずがありません。医師の言う通りにしていたのに人工透析になった男性も何人か知っています!
またインスリン注射や糖尿病の飲み薬で副作用は一定の割合で出ますし、中には不幸なことにお亡くなりになった方たちもいらっしゃいます。にもかかわらず、これらは使用中止にはなりません…
糖質制限を始め、どんな食事療法にも合う合わないがあります。100人中100人にぴったり合う食事療法は世界中どこを探しても実在しないにも関わらず「糖質制限は危険かもしれないじゃないか」「今は良くても50年後に病気になるかもしれないじゃないか」などと批判するのは、どうもフェアではないと思いませんか?