昔からずっと「糖質選択」していて糖尿病になりました
この頃「糖質選択」という言葉をよく耳にするようになりました。「糖質制限よりも糖質選択しましょう」という呼びかけも。
糖質選択というのは、どうやら摂取する糖質を減らすのではなく、その種類を賢く選択して健康を目指そうということらしいですね。
つまりお菓子や清涼飲料水、砂糖は避けるが白米を玄米や麦ごはんにチェンジしましょうというやり方です。
あれ??それなら私、22歳ごろからずーっと実践していたことになるんですけど…何しろ当時大流行していた「低GIダイエット(低インシュリンダイエット)」がまさにそうじゃないですか!
でも非常に残念なことに、よっしーは20代半ばでまず妊娠糖尿病になり、産後も同じ食生活をずっと継続していましたが30歳過ぎにはすでに2型糖尿病に移行していたと思われます。
そして30代後半に糖尿病が悪化して緊急入院し「あなたのすい臓のβ細胞はもうインスリンを分泌する能力がかなり落ちているので、この先も一生インスリン注射が必要です」と言われたんです。
変だな…「糖質選択」をして、子供たちを実家の母に預けてまでジムに通って運動していたはずなのにいったいなぜこんなことになってしまったのでしょうか。
ちなみに糖質制限の日本での提唱者である江部康二医師も、よっしーと同じように玄米魚菜食をしていて運動もしていたのに糖尿病を発症なさったそうですよ。
よっしーの場合は「糖質選択」で糖尿病発症と進行を防ぐことはできませんでした。しかし、それで救われる人もいるでしょうから糖質選択を悪いとは思いません。
ただこれだけはどうしてもはっきりさせておきたいのですが「糖質制限」と「糖質選択」は異なるものです。
たまにブログやSNSで、糖質制限をしている人たちからもアクセスしてもらうために玄米や全粒粉パンを食べている方が「#糖質制限」「#低糖質食」などと書いていらっしゃいますが、これは違うんじゃないかなぁと思います。
白米を玄米にさえすればOKですよ~と呼びかける人は多いけど、実際に大丈夫ではない人たちがいるのに無責任な話だよな。
自分は大丈夫なので他の人も同じだろう…というのはあまりにも想像力に欠けているわよね。
糖質選択は歓迎するが糖質制限しないでほしい(?)
もしあなたがお米を作っている米農家さんだとします。もし多くの日本人が糖質制限してしまうと、はっきりいって困りますよね!?
でも白米が売れなくても、代わりに玄米が売れるのであればそれほど心配は無いと思いませんか?まぁ現実問題として玄米の方がいろいろ面倒くさいと聞いたことはありますが…
それと「これを飲めば糖質を食べても大丈夫です」というサプリなども、みんなが糖質制限するようになったら売れなくなってしまいますよね、それ系の糖尿病の薬も。
「糖質制限すると筋肉が落ちます!」「糖質制限すると脳がダメージを受けます!」などと煽って「だから糖質制限ではなく糖質選択しましょうね~」と書かれているサイトは多いですね。
よっしーも22歳からずっと「糖質選択」を実践していた人間なので自分の経験から言わせていただくと、確かに同じ量のお米なら白米より玄米の方が太りにくいと思います。
玄米ってよく噛まないとのどに詰まりそうになりますしね…ゆっくり噛まないといけないので食べ過ぎにくく満腹になりやすいです。
食物繊維は白米ごはん150gあたりたったの0.45gで、玄米ごはんでも2.1g、麦ごはんでは2.2g(データはカロリーSlism様のサイトより)しか含まれていません。
それでも、玄米や麦ごはんにしたほうがいくらかマシであるということは言えると思いますね。糖尿病と診断される前は血糖値など測定したことがないので血糖値への効果は分かりませんけど。
先日、Twitterである糖尿病患者さんとお話しました。その方は薬なしで糖質制限で血糖値が正常値になったんですけど、主治医から「これ以上やってもらったら困る」と言われたそうです。
健康上何も問題がなく正常値になったのに「これ以上(糖質制限を)やってもらったら困る」ってどういうこと??困るのは患者ではなく医師…何が困るのでしょうか?
糖質制限していた人が糖質制限をやめるとどうなる?
普段糖質制限している人は、体が大量の糖質に備える必要がないのである意味、リラックスした状態になるようです。
めったに火事が起こらない町では、消防士たちは火事に備える必要がないでしょう。たまたま久しぶりに火事が起こるとそりゃ慌てるでしょうね。
「じゃあ毎日火事が起こるようにして慣れさせてやれば、消防士たちも火事に備えるのですばやく火を消せるようになるだろう」…という考えがあるみたい。
確かに毎日何度も火事が起こるとなれば、消防士たちは一瞬でも気を抜くことはできないでしょうね。でもそのうち、消火活動で疲れて1人…2人…と過労で倒れていくかもね。
ふだんお酒をまったく飲まない人が久しぶりに飲むと少量で酔ってしまいますが、大酒飲みの人はめったに酔いません。これを「お酒に強い状態」と言いますよね。
しかしお酒を飲まない人は、アルコール中毒やアルコール由来の肝臓の病気になることは絶対にありません。それに比べて毎日飲んでいる人は…そういうことです。
「糖質制限をしていると耐糖能が低下するので糖質制限をやめて糖質選択を!」というのは「禁酒をしていると耐アルコール能が低下するので禁酒ではなくアルコール選択を」と言うようなものだと思います。
糖質制限していた人が糖質制限をやめてまた糖質を食べるようになると、短期的には耐糖能が改善したように見えるはずです、体が糖質に対して身構えるようになるから。しかしずっとそれを続けているとどうなるでしょうか?
よっしーは遺伝で糖尿病になりました。お酒に例えると、生まれつきアルコール分解酵素の量が普通の人よりも少なめでお酒に弱い体質だったと思ってください。
それなのに「『A(お酒の商品名)』はアルコールが多いけど、こっちの『B』なら大丈夫よね♪」と言って毎日3缶『B』を飲み続けて、とうとう10年後に肝臓を壊したとしたら?
Aよりはマシかもしれませんが、Bを毎日飲み続けることが自分のアルコール処理能力を上回っていることなどまったく知らないまま…Bなら健康的だと信じていたゆえの悲劇ですよね。
まぁ上のは例え話ですが、白米と玄米の違いについても同様に考えてください。江部康二先生は玄米を食べると白米と大差ないぐらい血糖値が上がるそうです。
糖質制限か糖質選択かは個人の自由だが…
「糖質制限」を選ぶか「糖質選択」を選ぶかはみなさんが自分の頭でよく考えて選択すればいいことです、それは個人の自由ですから。
ただ中には、玄米を食べていながら「私は糖質制限ダイエットをしています」とおっしゃる方もいるし、糖尿病で血糖値も測らずに「テレビで玄米なら大丈夫だと言っていた」と言う方も。
白米を玄米や麦ごはんにチェンジすることは糖質選択であり、糖質制限とは違います。したがって、期待できる効果も当然まったく違うものになることを忘れないでください。
また、よっしーや江部康二先生のように糖質選択をしていたのに糖尿病を発症することもありますが、そうなっても勧めた方は何の責任も取ってくれないので自分でよく考えてください。
現代ではヒトが捨てた残飯などをちょうだいすることもあるとは言え、本来ノラネコたちはネズミや昆虫などを食べていました。タンパク質や脂質の多い食事ですね。
「糖質選択」などはしていませんが、彼らは耐糖能が低下して糖尿病にバンバンかかるのでしょうか?ライオンは?また農耕を開始する前の人類って糖尿病だらけだったのでしょうか。
現代の日本の妊婦さんの8~10人にひとりが妊娠糖尿病になります。ちっとも肥満ではない若い妊婦さんたちもそうです。
大昔はインスリン注射なんて存在しませんでしたが、私たちのご先祖様ってインスリンなしでいったいどうやってこの危機を乗り越えてきたのでしょうね…
白米を玄米にチェンジしようという試みは、必ずしも悪いことだとは思いません。でも、たとえ玄米でもそんなに食べないといけないのかどうかを今一度よく考えてみる必要がありそうです。
何しろ、こんなことをしているのは人間だけなのですから…人間って他の動物たちよりもめちゃくちゃ健康に気を付けている割には、いろいろな病気にかかってしまうんですよね。
あ、そういえばそうだな。人間ってオレたちがやらないような不自然なことばかりしているわりにはあんまり効果がないみたいだな…
病気になってから薬で何とかしようとする前に、そもそもどうして病気になるのか考えてみたほうが良さそうね♪
♪よろしければ併せてお読みください♪
→糖質制限ダイエットでなかなか痩せない方のための過去記事まとめ(クリックで記事へ)