糖質制限をしてはいけない人・糖質制限しなければいけない人
このブログは糖尿病患者が書く糖質制限ブログですが、世の中のすべての方が糖質制限をしていいわけではありません。
中には病気で糖質制限をしてはいけない方もいらっしゃいます。同じ糖尿病患者でも、すでに糖尿病腎症がかなり進行している方はタンパク質を制限するように言われます。
そして困ったことに、はっきりと病気と診断されていなくても実は何らかの病気の遺伝子を持っており、糖質制限をすると初めてその症状が出現する場合があるのです。
私たちが脂肪酸をエネルギーにする過程で必要になる酵素に先天的な異常がある場合があります。この長鎖脂肪酸代謝異常症の方が高脂肪食を食べると肝機能障害になるのだそうです。
そしてこの病気の方は糖新生が上手くいかないので、糖質を摂らない時間が長くなると低血糖を起こして命に関わることもあるそう。
この病気の方は高脂肪食を避け、数時間おきに糖質をこまめに摂取しなければいけないそうです。日本人の3万4000人に1人がこの病気なのだそうです。
また「シトリン血症」という病気の方は日本人の1万7000人に1人いらっしゃって、いわゆるバランスの良い食事と言われる食事(糖質60%)を食べると高アンモニア血症に陥るそう。
高アンモニア血症を起こすと脳に後遺症が残ることがあり、また体調不良を起こしたときに病院でブドウ糖を点滴されると死亡する可能性もあるそうです!
2015年より前に生まれた子供の場合、この病気は見逃されている可能性があるかもしれないとのこと。糖質を食べると体調が悪くなる場合は、この病気の可能性があるんですね。
糖質制限すると死んでしまうかもしれない方と糖質を普通に摂取すると死んでしまうかもしれない方がいらっしゃることを忘れて、すべての人に同じ食事を食べさせてはいけないんです。
そしていきなりストイックな糖質制限を始めると、小柄で筋肉が少ない女性や子供の場合は糖新生が不十分になり低血糖気味になる可能性があるんですって。
そういう先天的な病気があるのか…
糖尿病でさえ、自分の家に患者がいなければほとんど何も知らない人がいるぐらいだもんね…
各クラスに2人いる!?みんなと同じ食事で体調が悪化する子供
さきほど紹介した病気の患者さんたちはかなり少ないので自分には関係が無いと思われるかもしれませんね。
でも実は、長鎖脂肪酸代謝異常症と診断されることがなくても、その遺伝子変異を持っていて脂肪酸をエネルギーにする過程で必要になる酵素を普通の人の半分しか持たない方は91~92人に1人いるのではないかと考えられています。
このような方は普通に糖質を摂取していると何も症状が無くても、糖質制限すると体調が悪化したり低血糖気味になるのではないでしょうか?
「糖質制限したら体調が悪化した」とおっしゃる方はもしかしたら、気付いておられないだけでこの病気の遺伝子変異をお持ちなのかもしれません。あるいは筋肉がかなり少ない可能性も?
そして同様に、普通に糖質をたっぷり摂取すると体調が悪化するかもしれない人も100人中5~6人いるかもしれないとカルピンチョ先生。
100人中5~6人と言うと学校の各クラスに2人ぐらいはそういう子供がいる計算になります。給食のパンを食べると頭が痛くなるのに先生から叱られて…なんてことも?
学校給食って、残すと「あのクラスは残食が多い」と担任の先生がお叱りを受けるらしいですね。だから余ったご飯を残らないように先生が配ったりするんですよね。。
最近はアレルギーの子が多いので、昔ほど無理やり食べさせることは少なくなったといいますけど、それでも他の保護者からいろいろな話を聞きます。
病気と診断がつかないレベルでも、何らかの遺伝子異常を持っている人はわりとたくさんいらっしゃるのです。そういう体質の個人差を無視して同じ食事を押し付けるのは危険です。
万人にピッタリ合う食事なんて存在しないのだから
糖質制限しているというと「そこまでしなくても主食を玄米にすればいいじゃないか」「芋や果物は血糖値が上がりにくいですよ、食物繊維があるから」と言われることがあります。
確かにその食事でうまくいく方もたくさんいらっしゃるでしょうが、残念ながら私は22歳の時から玄米食・脂質制限・肉より魚・野菜果物たっぷりの食生活をしていて糖尿病になりました💦
フリースタイルリブレでずっと血糖値の変動をチェックしていますが、サツマイモや果物はわずかな量でもかなり血糖値が上がることが分かったのでかなり気を付けています。
↑こういうの本当に困ります💦
たまにネットでお医者さんが「糖質制限すると低血糖になり危険です」などと書いていらっしゃるので「私は低血糖になったことはないのですが、どういう仕組みでそうなるのですか?」と質問しても無視されたりして悲しい思いをすることも💦
私が糖質制限をしているからといって、糖質制限が合わない人にまで糖質制限を押し付けようだなんてまったく思いません。特に気にしていない方は何でも食べてよいと思います。
糖質制限してはいけない人もいれば、糖質制限しなければいけない人もいる…すべての人が同じ食事がぴったり合うわけではないのだから「誰にとっても安全」「誰にとっても危険」とは言えませんよね。
食事方法ってただ一つだけの「正解」があるわけじゃないんだニャー!
そうなのよ、自分の勧める方法だけが正解であるかのように語る専門家もいるけど、体質の個人差を無視してはいけないと思うわ。