糖尿病患者は自分たちとは違う?
私はわりと重症の糖尿病患者なので、糖質制限に真剣に取り組んでいます。というか、真剣に取り組まざるを得ません。
すでにいくつかの糖尿病合併症もありますので、ここで真剣にやらないと目が見えなくなったり腎臓が機能しなくなって人工透析をしなければいけなくなってしまうのです💦
「医療が進んでいる」はずの日本でも、現在年間3000人が糖尿病網膜症で失明し、3000人が足を切断し、16000人が糖尿病腎症から新たに人工透析を開始しているのが現状です…恐ろしいですね。
※1型糖尿病は生活習慣とは関係がなく、2型糖尿病も遺伝やストレス、薬の影響などいろいろな要因で発症するので不摂生だけが原因とは言えません。
でも、世間一般での糖質制限ダイエットへの評価を見ていると
「あー、あれは糖尿病患者にはいいかもしれませんけどねぇ…」
「糖尿病でない人はそこまでしなくてもいいのではないですか?」
「何事もバランスが大事です。主食とおかずをバランスよく食べて運動するのが一番ですよ」
などなど。
何となく他人事のように捉えている方が多いように感じるのですが、本当に大丈夫なのでしょうか!?
なぜ自分だけは大丈夫だと思える人が多いんですかにゃ…?
どんなことも、自分の身に降りかかってくるまでは実感が湧かない物なのよ…
年代別・日本人の糖尿病の有病率は?
上のグラフはアサヒ飲料様のサイトからお借りしました。日本人の年代別・糖尿病有病率のグラフです。
若いころから糖尿病になる人は確かに少数派かもしれませんが、年齢が高くなるごとにどんどん糖尿病になる人が増えていくのが分かりますよね。
みなさんは「2型糖尿病になるのは太っている人だけ」と考えるかもしれません。だからこそ「私はお米をしっかり食べているけど痩せていますからっっ!」という主張もあるのでしょう。
しかし、男性は40代で最も肥満者が多く、その後少しづつ肥満者の割合は減っていくにも関わらず糖尿病患者は年齢に比例して増えていますし、女性の高齢者で肥満の方よりも糖尿病の方のほうが明らかに多いです。
つまり肥満ではないのに糖尿病になる方もいらっしゃる(太っていても糖尿病にならない方もいます!)…決して「痩せてるから万事OK」ではないことが分かります。
見た目痩せていても脂肪肝になっていることがあり、その場合は糖尿病などのリスクが高くなるそうです。パッと見は分かりにくいので油断してしまいますよね💦
60歳以上に限ってみれば、3人にひとり以上が糖尿病か予備軍ということになるんですね。まだ若くて「糖尿病の人って気の毒ねー、私は糖尿病じゃなくて良かったわぁー」なんて言っている方も将来はどうなるかわかりませぬ。
昔のヒトは糖尿病にはならなかった!?
「昔の日本人は糖質を多く摂取していましたが糖尿病にはならなかったじゃないか」と主張なさる方もいらっしゃいます。でも、本当に昔の日本人は糖尿病ではなかったと言えるでしょうか?
上のグラフを見ても分かる通り、2型糖尿病は今でも若い人には少ない病気です。私のように若い頃に発症する場合もありますが、基本的には40歳以降に多い病気でしょう。
上のグラフはガベージニュース様のサイトよりお借りしました。ほんの数十年前まで、日本人の平均寿命は40歳そこそこだったんですね。
これでは、糖尿病やガンや認知症など「長生きするからこそかかる病気」とは無縁だったのも当然のことです。いずれも、平均寿命が延びた現代ならではの問題と言えます。
平安貴族の藤原道長は明らかに糖尿病患者だったようですが、家族間で同様の症状がみられたようですし、遺伝が大きかったのでしょうね。当時のお酒は甘かったそうです。
多くの場合、糖尿病はかなり進行しないと何の自覚症状もありません。昔は血糖測定器も尿糖検査紙もありませんでした。
ちなみに江戸時代には、すでに糖尿病や糖尿病合併症について詳細に記録した医学書が日本でもすでに書かれています。進行した糖尿病患者もある程度はいたんでしょう。
また、自分が糖尿病だなんて知らないまま亡くなった方も相当いらっしゃったはずですね。2型糖尿病の場合、自覚症状がはっきりと出てくるまでにはかなりの年月がかかります。
昔は現代とは比べ物にならないほど労働が過酷だったとはいえ、昼は働いていても夕食でドサッと米を食べれば、夕食後は食後高血糖になっていたのではないでしょうか。
糖質を多く食べていても元気に長生きする方がいらっしゃるのは事実ですが「糖質の影響を受けにくい体質の人だけが長く生き残れる」のかもしれませんね💦
糖尿病は他人事だと思わないでほしいですね
「私は糖尿病じゃないので」「バランスのいい食事で十分に糖尿病を予防できます」「太ってないから私は大丈夫です」「筋トレで消費してますから」これ、初めて妊娠糖尿病になる前、まだ独身だったころに私が心の中で思っていたことです。
今思うと非常に恥ずかしいことです。父が糖尿病だったのに「自分は気を付けているから大丈夫だ」と妙に自信を持っていて…大学で勉強した栄養学を疑ったことなど1度もありませんでした。
ほとんどの真面目な方は学校で習ったことや教科書に書いてあることが本当に正しいのかどうか、なんて疑問を持つことすらないのでは…??
当時、自分と同年代で痩せているのに糖尿病という女性を見たことがあるのですが「まぁ…この人、ひょっとしてお菓子が大好きなのかしら、若いのに気の毒ねぇー」等、どこか上から目線で見てしまった自分がいました。ごめんなさい…あまりにも無知でした!
糖尿病有病率のグラフを見て分かる通り、日本人であれば「自分だけは100%大丈夫です」と言い切れる人はいないはずです。
どうか、他人事と思わないでください。今は大丈夫でも10年後に糖尿病になる方はかなりたくさんいらっしゃるかも。
現在糖尿病で糖質制限している私たちだって、生まれた時からずっとそうだったわけではありません!もともとは普通にご飯を食べて生活していて、ある時糖尿病になりました。
糖質を多く摂取することと関係がある病気は糖尿病だけではない上、将来はどうなるか分からないのですから…今のうちに「ちょっとだけ」気を付けて生活していただければと思います。
糖尿病になった人の食事は、糖尿病の予防にも悪いわけがないんだにゃあ。
そういうことよ!他人事と思っていると痛い目に遭うかも…そうならないように気を付けてほしいわね。