糖尿病にならないために栄養学を学んだのに…
よっしーが小学生の時に父が糖尿病と診断されたので、子供心に「病気にならないために、食事について勉強しないといけないな」と思いました。
だから家庭科で配られた教科書やカロリー計算の本をとても大事にしていましたし、大学では栄養学などを勉強できる学部を選びました。同級生の中には、病院で管理栄養士として働いている友達も何人かいます。
よっしーは管理栄養士にはなりませんでしたが、栄養学については卒業後も独学で勉強していましたし、それを日々の食生活に生かしているつもりでした。
「お父さんは糖尿病になったけど、私は正しい食生活を心がけているしジムで筋トレもしているから糖尿病にはならないわ!」と言っていましたが、妊娠すると妊娠糖尿病になり、そしてやがて2型糖尿病へ…
先ほどツイッターで、管理栄養士さんの「お菓子やジュースはいけませんが主食はきちんと食べるべきです、そうすればメリハリのあるボディになれます」というネット記事を知りました。
よっしーも、自分がずっと糖尿病を発症していなければ、きっとその管理栄養士さんと同じことを言っていたはずです、でも…残念ながら、病気になってしまったんです。
よっしーがかつて栄養学を学び、運動も十分に行いながら玄米や青魚、野菜をしっかり摂取する「健康的な生活」を送っていたにも関わらず糖尿病になったのはなぜでしょうか。
たまたま自分が病気にならなければ、おそらく一生理解することはできなかったであろうさまざまなこと。大学で一生懸命学んできた栄養学はいったい何だったんだろうか…と思います。
本当にその方法に従っていれば大丈夫なのですか?
ネットにはたくさんの管理栄養士さんたちが書いた「管理栄養士が教える正しいダイエット」的な記事がありますよね。
中には某団体に所属する方の記事もありますが…まぁそれはともかく、どの記事にも共通しているのは「主食は絶対に食べないとダメ」ということです。
たとえば「外食では丼ではなく定食を選びましょう」「ご飯は玄米がお勧めです」などなど。よっしーはいつもそのようにしていましたけど、何がいけなかったのでしょうか。
そりゃ、どんぶりご飯をお代わりするよりは定食を選ぶ方がかなりマシなのは確かです。でも、定食1人前であっても十分すぎるぐらい血糖値が上昇する方たちのことはまるで考慮しない発言です。
病院主催の糖尿病教室で、若い管理栄養士さんが「ご飯は丸い粒なので血糖値が上がりにくいです」とおっしゃったときは眩暈がしました。
よっしーは3年半前この病院に糖尿病で入院して、病院食を野菜から順番によーく噛んでゆっくり食べても血糖値が爆上がりで体重も100gたりとも減らなかったのに。
その時看護師さんや管理栄養士さんたちに「なぜこれだけしか食べてないのに血糖値が上がるし体重も減らないんですか?」と質問しても、まともに答えられた人は誰もいませんでしたよ。
教科書にこう書いてあった、教科書に書いてあることと違うことに関しては分からない…よっしーのような人はたまたま運悪くそういう体質なだけ…ってところでしょうか。
病気になった者の悲しみと苦しみが分かりますか?
ただ「痩せる」だけなら糖質制限以外にもいろいろ方法があることは、よっしーも若い時の経験から分かっています。極端なカロリー制限をして運動しまくると、めちゃくちゃ速く痩せます。
でも問題は、ただ痩せるだけでは生活習慣病などの発症を必ずしも防ぐことができないということです。日本人は痩せているのに糖尿病になる人も多いんですよ。
そして、病院で管理栄養士さんや医師の指導をきちんと守っていたのにじわじわと糖尿病が悪化していった患者たちの苦しみが分かるでしょうか。
ある男性の方は病院で指導されたことをきちんと守っていたのに腎臓が悪くなり、人工透析を開始なさってからはじめて糖質制限のことを知り、怒りを覚えたそうです。もっと早く知っていれば…と。
さきほど姉妹ブログに記事を書きましたが、糖尿病専門医でありながら従来の食事療法とおそらく薬やインスリン?でどんどん悪化し、失明寸前の状態にまでなった医師もいらっしゃいます。
その糖尿病専門医は、お菓子やジュースは避けていても主食はきちんと「バランスよく」食べていたはずだと思います。なぜ病気が悪化したのでしょうか…誰か教えてください。
たまたま自分は糖尿病などの病気ではなく太っていないからと言って、「バランスよく食べていれば病気にはならず太りません♪」と無責任な言い方をしないでいただきたいのです。
健康に良いと言われていることを心がけていたのに病気になった者の悲しみと苦しみは、まだ病気ではない方には決して分かってはもらえないでしょうね。
悪いのは現場で働く管理栄養士さんたちではない
ただ、ひとりひとりの管理栄養士さんたちが悪いわけではありません。よっしーだって大学で栄養学を学んだときは、これこそ素晴らしい正しい方法なのだと信じて疑いませんでした。
真面目な方ほど、学校で勉強したことを一生懸命覚えて仕事に生かすじゃないですか?教科書に書いてあることが実は間違っているかも…などと考える方はあまりいませんよ。
さすがに、故意に間違った記事を書くような悪意のある方はいないと信じたいです。分かっていてわざとやっているとしたらシャレになりませんからね!
よっしーが大学生の頃、〇〇栄養学と名の付く講義はいくつかありましたが、その中にひとりだけ異色の先生がいたのを覚えています。
その先生は男性で医師免許を持っており「最近、朝食をコーヒーにするだけで運動なしでダイエットに成功した」と話していました。
当時よっしーや友人たちは「えー、あり得ない!不健康!」「どうせそのうち体調崩すよねぇ」「運動なしで健康的に痩せられるわけがないじゃん!」などと陰口を言いました。
でもあれから20年ぐらい経った今、あの先生は正しかったのかもしれないなぁと思います。そのことに気付くまで、あまりにも時間がかかりすぎました。
毎日タバコを吸っていてもガンにならないまま一生を終える方はしばしばいらっしゃいます。糖質もある意味そういう一面を持っているものだと思います。
たまたまよっしーは糖尿病になったので、大学で勉強したことは本当に正しかったのかどうかを考えることができました。でも、病気にならなければ一生理解できなかったと思います。
もし管理栄養士や医師、看護師など専門家の皆さんがこの記事を読んでくださっているとしたら、どうか私のような患者がいることを考えてくださると嬉しいです。
かつて栄養学を学んだ糖尿病患者からのお願いです
ダイエットは、健康の上に成り立つものです。教科書に書いてある方法で誰もが痩せて健康になり糖尿病などにならないのであればいいのですが、現実はそうではありません。
自分がそうではないからといって、その常識に当てはまらない人たちを「特別な体質の人たち」と切り捨てないでいただきたいのです。
昔は常識とされていたことが後から覆ることなんていくらでもあります。学生時代に習ったことが本当に正しいかどうかは分からないのです。
「その方法は教科書に書いてあることと違うからダメです!」と簡単に切り捨てられると、とても悲しいです。教科書に書いてある方法で健康にならないから別の方法で一生懸命やっている人たちがいること、どうか忘れないでください。
そして、いま現在まだ病気ではない人たちの中にもこのままだと将来病気になる方も必ず一定数含まれているということも、決して忘れてはいけないと思います。
糖質制限ダイエットをする方はみんな「ただ痩せればいいや」と思ってやっているとは限りません。中には、実は親御さんが糖尿病で密かに不安に思っている方だっているんです。
ダイエットにはいろいろな方法があっていいと思います。でも、教科書に書いてあることと違うというだけで「糖質制限はダメだ」などと冷たく切り捨てないでください…かつて栄養学を学んだ糖尿病患者からのお願いです。