こんなにタンパク質をたくさん食べて大丈夫?
糖質制限ダイエットでは、しっかりとタンパク質を摂取します。このため「腎臓に良くないのではないか」と何となく不安を感じる人もいらっしゃると思います。
このため「僕は糖尿病だけど、糖質制限って腎臓に悪そうで心配だから糖質制限はしないで普通にお米を食べているんだ」という方もよく見かけます。
それで「筋肉を増やして血糖値が上がりにくくなるといいな」と言っても、筋肉の材料となるタンパク質が不足していればなかなか筋肉が増えるわけがありませんよね💦
ご安心ください、すでに腎機能が低下している場合は別ですが、健康体であれば高タンパク質食によって腎臓が悪くなることはないそうですよ。
“たんぱく質の耐容上限量は、たんぱく質の過剰摂取により生じる健康障害を根拠に設定されなければならない。 しかし現時点では、たんぱく質の耐容上限量を設定し得る明確な根拠となる報告は十分には見当たらない。 そこで、耐容上限量は設定しないこととした。”
(「日本人の食事摂取基準」2015年厚生労働省)
海外の研究で高タンパク食と低タンパク食を摂取している人たちの腎臓の機能を比較した結果、糖尿病患者では両者に差はありませんでした。
健常者では高タンパク食のほうがGFR(腎臓のフィルターの役目を果たす糸球体が1分間にどれくらいの血液を濾過し尿をつくれるかを表す数値)が良好であることが分かりました。
つまり少なくとも高タンパク食が腎臓に悪い影響を与えるとは現時点では考えにくいということです。これはとても嬉しいことですよね♪
へぇー!まぁオレたちも野生ではネズミや昆虫を食べるけど、それで腎臓が悪くなったら大変だもんな。
そう簡単に腎臓が悪くなったら大変よね💦
ボディビルダーはもっとタンパク質を摂取している
糖質制限ダイエットをしていない人でも、たとえばボディビルダーの方などはタンパク質をかなりたくさん摂取しています。
体重80kgの人なら160g以上、中には240gぐらい摂取している人もいます。体重(kg)×2gのタンパク質摂取は、体づくりをしている人の間では常識となっています。
それでも多くの方は腎臓を悪くしていないと思いますよ。このぐらいの量のタンパク質で腎臓が悪くなるのなら、ボディビルダーやアスリートはみなさん人工透析になっているでしょうね💦
それから、糖尿病の方が合併症で腎症になるのは、高血糖により腎臓の糸球体の細い血管が動脈硬化になって詰まるためです。
インスリンというホルモンの効きが悪くなって大量にインスリンが分泌されることもまた糖尿病腎症を引き起こす原因と考えられています。
健常者でもいろいろな原因によって腎臓病になることはありますけど、糖尿病患者が健常者と比較して明らかにタンパク質を摂り過ぎているわけではありませんよね?
それなのに糖尿病患者が腎臓を傷める原因はなぜか…と考えてみると、「犯人」はタンパク質ではなく別の者だということがお分かりいただけるでしょう。
不安のある方は医師に相談しましょう
健康であれば、常識的な量の範囲でのタンパク質摂取を過剰に心配する必要はなさそうです。農耕開始前の大昔の日本人がいろいろな動物や魚の肉を食べて生活していたのは明らかです。
たまたまラッキーなことに大きな獲物を得ることができる機会もときどきあったと思いますけど、ご先祖様が肉を食べすぎて腎臓をダメにしていたと思いますか?
これは想像ですけど、「ああ、お腹がいっぱいだ」とヒトが感じる程度の量のタンパク質摂取でそう簡単に腎臓が破壊されるようにできているとは考えにくいのでは??
ヒトのご先祖様や野生動物は肉を食べますが、遺伝子組み換えをして品種改良して異常に甘くした果物や砂糖をたっぷり使ったお菓子や清涼飲料水を大量に飲み食いするのは現代のヒトだけです。
動物たちはわざわざ摂取カロリーやタンパク質摂取量を「計算」して食べたりはしません。それでも簡単に生活習慣病になったりはしませんよね?
すでに腎臓の病気があって腎機能が低下してしまった方は、医師に相談のうえ慎重にお願いします。しかし健康な方は、過度にタンパク質の摂り過ぎを心配する必要はないかもしれません。
肉の食べ過ぎを心配するよりもまず先に心配すべきものがあるってことを忘れないでほしいね。
そう思うわ。「ヒトだけがたくさん食べないといけないモノ」があるとは思えないし…よく考えましょうね♪
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→「糖質制限は危険!」と言われて不安になった方のための過去記事まとめ(クリックで記事へ)