和食でもかなり血糖値が上がりますが…?
「和食はヘルシーだ」とよく言われます。それも、今から数十年前の平均的な日本人の食生活がもっとも良いと言われているそうですね。
それで「食の欧米化が肥満や糖尿病が増えた原因だ」と言われますけど本当にそうでしょうか?確かに「欧米化された日本食」はある意味健康に良くないのは事実です。
だって「糖質たっぷり+脂質たっぷり」は血糖値もしっかり上がってなかなか下がらないですし、余った糖質も脂質も中性脂肪になって脂肪肝にもなりやすいではありませんか。
ある意味「糖質だけたっぷり」は「糖質たっぷり+脂質たっぷり」よりもいくらかマシなのかもしれません。でも「糖質控えめで脂質たっぷり」はさらに良いかもしれませんよ?!
和食は低脂質ですが、糖質が多いのが難点です。血糖値を測定している糖尿病の方は、外食でびっくりするほど血糖値が上がったことがあるはずです。
漫画にあるように、よっしーは大きめのおかき数枚で血糖値が201になって慌ててウォーキングをしました。お寿司で血糖値が250になった方もいらっしゃいました。
たいした量でもないのに糖尿病患者の血糖値をこんなに爆上がりさせる食事が、果たして糖尿病ではない方の健康にも良いと言えるでしょうか?
糖尿病の人に良くない食事が健康な人にも良いとは思えませんね。
そうでしょう?私だって以前は健康だったのに糖尿病になってしまったわけだからね。。
日本人が欧米人よりも太りにくいわけは?
日本人は欧米の方と比較して痩せている方が多く、極端に肥満体型の方はそれほど多くありませんよね。
多くの方はそれを「和食がヘルシーなので日本人には太っている人が少ないのだ」と考えるかもしれません。でも本当にそうでしょうか?
実は、欧米の方で体重150kgとか200kgとか高度肥満の方がしばしばいらっしゃるのは「すい臓のβ細胞がインスリンを分泌する能力」が日本人よりも高いからなんです。
糖質を摂取するとインスリンが分泌されて体は糖質をエネルギーとして利用し、グリコーゲンとして貯蔵しきれなかった分は中性脂肪に変わります。
インスリンをたくさん分泌できる人は、たくさん糖質を食べてもどんどん中性脂肪に変えて体脂肪として蓄えてしまいます。
お相撲さんに意外に糖尿病患者が少ないのは、激しい稽古をしているからという理由もありますが、彼らが欧米人のようにインスリン分泌能力が高い、つまり「食べた分だけ太れるタイプ」だからかもしれません。
しかし日本人に多い「インスリンを分泌する能力が低いタイプの方」は、高度肥満になる前に限界が来て糖尿病を発症してしまいます💦
日本人が痩せているからと言って、必ずしもそれは食事のせいだけとは限らないのです。日本人は痩せている人が多いにもかかわらず、かなりの方が糖尿病になってしまうじゃありませんか。
日本人と同じ黄色人種であるイヌイットの食生活は?
よく「ネズミに糖質制限させたら寿命が短くなった」「ウサギに高脂肪食を与えたら脂質異常症になった」などと言われますが、草食動物でヒトとは遠いネズミやウサギで話をするのはいかがなものでしょうか。
それなら、同じヒト…それも私たち日本人と同じ黄色人種であるイヌイットの食生活の話をしましょう。「私はイヌイットよりネズミの体質に近いんです!」という日本人がいるでしょうか。
イヌイットが黄色人種だからと言って日本人と何もかも100%同じだとは思いません。でも、少なくともネズミやウサギよりはずーーーーーっと私たちと近いでしょう?
イヌイットは昔、農業に適していない極寒の地で暮らしていたため野菜や果物の摂取量はかなり少なく、生肉や魚ばかり食べていた頃は肥満や心臓病、糖尿病はかなり少なかったです。
ところが私たちと同じようにファーストフードなどを食べるようになり、生活習慣病にかかる者がかなり増えてしまったのです。
肉が健康に良くないのなら、なぜイヌイットは昔肥満や心臓病や糖尿病がほとんどなかったのでしょうか?野菜や果物の摂取量が増えたにもかかわらず彼らに生活習慣病が増えたのはなぜでしょうか。
伝統的な和食を食べるなら食後に運動しなければ!
昔の日本人に肥満や糖尿病が少なかったのは、糖質の摂取量が多くても1日中激しく労働していたからです。妊婦さんも仕事をしていましたよね。
平安貴族の藤原道長は、貴族ゆえあまり体を動かさなかったので糖尿病になってしまいました。甘いものが好きだった織田信長も糖尿病だったのではないかと言われていますよね。
「昔の和食と同じものを食べたい」と言うなら、昔の日本人と同じぐらい体を動かしてくださいね。食事だけ昔と同じにしても、現代のライフスタイルではどうしてもうまくいかないですから💦
また昔の日本人は確かに肥満や糖尿病は少なかったかもしれませんが、いろいろな原因により平均寿命がかなり短かったことを忘れてはいけません。
認知症や糖尿病、ガンなどは現代でも年齢が高くなってから直面する問題です。よっしーのように比較的若いうちに糖尿病になる人もいますが、40歳以降に発症する方が最も多いです。
タンパク質不足で塩分過多の食事は、高血圧や脳出血などのリスクを高めます。和食にはメリットだけではなくデメリットもたくさんあることを覚えておいてください。
和食が好きなら、ご飯を少なめにして調味料に糖質の多いものをなるべく使わないようにするといいですね。食後にちょっと体を動かすとさらに良いです。
また糖質+脂質がもっとも健康に良くないからといって脂質を極端に減らしすぎると、ホルモンの乱れなどからさまざまな心身の不調に悩まされることになりがちなので気を付けてくださいね。
食事だけを昔に戻してもうまくいかないんですね。
そういうことね。体を動かす機会がどんどん減ってきているから、食事もそのスタイルに合ったものにしていかないといけないわ。