ナイアシン(ビタミンB3)は重要なビタミンですが…
糖質制限ダイエットをしているみなさんの中には、ナイアシン(ビタミンB3)のことをご存知の方も多いでしょう。
ナイアシンは水溶性ビタミンで体内でいろいろ重要な役割を果たし、「ニコチン酸」「ニコチン酸アミド」の2種類あります。
今回は、よっしーが「ニコチン酸」をサプリメントで大量服用したことで起こったことから学んだことを書こうと思います。
ナイアシンはいろいろな慢性疾患に効果を発揮するとされ、愛用している方も多いのですが、一部の方に良くないことが起きる可能性について知っておかなければいけません。
あらかじめ申し上げておきますが、決してよっしーは「ナイアシンは危険だからみんなもやめましょうね」と言いたいわけではありません。
ナイアシンの摂取がゼロになれば、間違いなく体内でいろいろな不都合が起きます…ただ、サプリメントで大量に摂取した時に一部の方に困ったことが起きるのは事実ですから💦
このようなことが起きる可能性がある、ということを理解した上で多くの皆さんに上手にビタミンサプリメントを利用してもらいたいので、記事にすることにしました。
今回考えてほしいのは「ナイアシンを服用していて、糖質制限ダイエットを頑張っているのになかなか痩せなくて困っている」というダイエッターの皆さんです。
ナイアシンは病気の治療として使われることもありますね。
そうね。だからこそみなさんに知っておいてもらいたいのよ。
ナイアシンは体内でどんな働きをするの?
まずはナイアシンが体内でどのような働きをするのか勉強することにしましょう。ナイアシンはビタミンB群の中のひとつで、体内でアミノ酸の一つであるトリプトファンから少量合成することもできます。
ナイアシンは糖質・脂質・タンパク質の代謝、エネルギー産生に関与しています。また脂肪酸やステロイドホルモンの生合成、ATP産生、DNAの修復や合成、細胞分化など、重要な反応の補酵素として働きます。
ナイアシンには血流を改善させる作用もあり、これを利用して腎臓や網膜の病気の改善に使われることがあります。
またナイアシンのうちニコチン酸にはHDLコレステロールを増やしてLDLコレステロールを減らす効果があります(ニコチン酸アミドにはこの効果は無いそうです)。
ナイアシンの作用は強力で、今までナイアシンを飲んでいなかった方がいきなり大容量のナイアシンサプリを飲むと「ナイアシンフラッシュ」と呼ばれる症状に苦しめられることがあります。
↑ブロガー仲間のすぱ郎さんが書いていらっしゃるように、ナイアシンフラッシュでは顔のほてりや耐えがたい異常なかゆみが生じます💦
このナイアシンフラッシュは、最初は少しの量のナイアシンから始めて徐々に量を増やしていくことで回避することが可能です。
よっしーは最近毎日1000mgのナイアシン飲んでおり、ナイアシンフラッシュに苦しめられることはもう全然なかったのですが…
ナイアシンで血糖値が下がる人と上がる人
ナイアシンを投与すれば糖尿病患者の1/3でインスリン投与量を減らせるそうですが、残り2/3の患者ではどうなるのかという情報は残念ながら見つけることが出来ませんでした。
糖尿病患者のよっしーは以前、ナイアシンが健康に良いと聞き、徐々に服用量を増やしていきました。
ところが1日あたりの服用量が1000mになった頃からHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー、血糖値の平均を反映する数字)が少しずつ上昇し始めて、特に食べ過ぎたわけでもないのに2kg太りました。
そして1500mg服用するようになったとき、それまで陰性だったタンパク尿(+1)が毎日出るようになってしまいました。これは糖尿病腎症の悪化を意味します💦
焦ったよっしーはネットを調べまくり、自分と同じようにナイアシンのサプリで血糖値が上がったという方や体重が増えたという方の体験談をいくつか見つけました。
そしてナイアシンの服用を中止したところ、しばらく経って体重も戻り、少し遅れてタンパク尿もまた出なくなったのです。
ナイアシンについて医療サイトの説明などを読むと「高容量では高血糖になることがあるので糖尿病患者は注意」と書かれています。
なぜ一部の人でこのような現象が起きるのか、残念ながら詳しい機序は分かりません。しかし薬や栄養に非常に詳しい方がアドバイスをくださったのです。
ナイアシンで高血糖になる…その理由とは
その方は「ナイアシンは脂質代謝を亢進させてコレステロールを下げる効果があるのでグリセロールを原料に糖新生が亢進する可能性があるのと、人によっては糖新生自体を亢進させますよ」とおっしゃいました。
なるほど、糖新生が必要以上に活発になれば血糖値が上がります。糖尿病ではない健常者は通常よりも多くインスリンを分泌するので血糖値は上がらないかもしれません。
しかしインスリン分泌能力がやや低下しているよっしーの場合、分泌能力の限界ギリギリまでインスリンを分泌するけれど、ちょっぴり足りないので高血糖気味になるという状態が続いたのでしょうね。
じつは糖尿病合併症の元凶は高血糖ではなく高インスリン(たくさんインスリンが分泌されている状態)ではないかと水野雅登医師や新井圭輔医師はおっしゃっています。手持ちの医師向けの医学書にも、インスリン治療が原因で糖尿病合併症が悪化した患者の例が掲載されております。
ナイアシンで糖新生が亢進し、その結果高血糖になったのをカバーしようとして能力の限界までインスリンを常時分泌し続けた結果、糖尿病腎症が悪化…これなら辻褄が合います。
最近「またナイアシンを飲んでみようかな」と思い立って1000mg飲んでいたのですが、血糖値が高めになってきたので中止したところ嘘のように血糖値が改善しました!これはやはり…
個人差の理由は分かりませんけど、ナイアシン服用によって糖新生が亢進しない方は血糖値も下がるのかもしれません。しかし糖新生が亢進するタイプの方は高血糖になるのでしょう。
このようなことが起きる方が一定の割合で存在する以上、ナイアシンの良い効果だけを取り上げて誰にでも高容量のナイアシンを勧めるわけにはいかないと思うのです。
糖尿病ではない方がナイアシンを飲むとどうなる?
一部の方がナイアシン大量服用で糖新生が亢進するらしいことは分かりましたけど、これは糖尿病患者だけに起こる問題なのでしょうか?
ここからはよっしーの推測ですが、糖尿病ではない方にも同様の問題は起こるのではないでしょうか…表向き、問題が見えにくいだけで。
糖尿病ではない健康な方の場合、糖新生が亢進してもインスリンを多めに分泌してカバーするので血糖値は上がりません。
しかしインスリンが通常よりも多く分泌されていると、同じものを食べていても太りやすく痩せにくくなります。インスリンは「肥満ホルモン」と呼ばれ、食べた糖を体脂肪に変えてしまうからです。
糖質制限といっても完全に糖質をゼロにしない限り、ある程度の量の糖質は摂取しています。ナイアシン大量服用で高インスリン状態になっている方は「糖質制限しているのに痩せない」という状態になるのでは?
特に、かなり太めの方はインスリンの効きが悪くなっており(=インスリン抵抗性)インスリンが効きにくいのを量でカバーするために大量にインスリンを分泌しています。
よっしーのようにもともとインスリン分泌能力が低い人は耐え切れずに早々と糖尿病になってしまいますが、インスリン分泌能力が高い人はどんどんインスリンを分泌して高度肥満になっていきます。
お相撲さんたちに意外に糖尿病患者が少ないのは、運動をしているせいでもあるでしょうけど、彼らはもともとインスリン分泌能力が他の人よりも高いからかもしれませんね。
現在ナイアシンのサプリを飲んでいて糖質制限ダイエットを頑張っているのに痩せない…という方は、試しにちょっとナイアシンをお休みしてみてください。
他にインスリンの効きを悪くする原因として、お酒や果物の摂り過ぎによる脂肪肝、喫煙、極端な運動不足などが挙げられます。心当たりのある方は今すぐ改善を!
ナイアシンは健康維持のためにとても重要なビタミンですが、人によっては大量服用で良くないことも起こり得るということを忘れずに、あなたにとっての適量を見極めましょうね。
そうですね、何かおかしいと思ったらちょっとやめてみることは大事ですね。
自分の場合はどうなるかを自分で検証してみることが大事ね。
♪よろしければ併せてお読みください♪
→糖質制限ダイエットでなかなか痩せない方のための過去記事まとめ(クリックで記事へ)