「脳はブドウ糖しか使えない」という50年前の常識
糖質制限ダイエットが危険だと思っている方の話を聞くと「ブドウ糖は、脳の大事なエネルギー源だ。ケトン体も脳は一応使えるらしいけど、やっぱりブドウ糖のほうがいいに決まってる!」だそうです。
さすがに、50年も昔のように「脳はブドウ糖しか使えない!」と思っている方はもうほとんどいらっしゃいませんね。知ってか知らずか未だにそんなことを記載しているサイトもありますけど。
実際のところ、どうなんでしょうね?どちらかというと、のべつまくなしに甘いものをモグモグ食べている人に賢そうな人はあまりいない気がしますが…
みなさんの周囲で常に甘いものを食べている人って、頭がキレる人ですか?電車の中で菓子パンやスナック菓子を頬張っている学生さんたちは、賢そうな子たちでしょうか。
糖質制限ダイエットをこれから始めようという方も多いと思うので、ここらへんを明確にしておかねばなりませんね。
確かに脳にとってブドウ糖は重要なエネルギー源
脳がエネルギー源としてブドウ糖を多く利用しているのは事実です。そして、血液を通してブドウ糖が脳に供給されています。
ここでちょっと考えてみてください。健康体であれば、ストイックな糖質制限ダイエットをしても低血糖にはなりませんよね?
血糖値が正常値だということは、脳にも必要な量のブドウ糖はちゃーんと供給されているということですよ。
つまり、低血糖にならない以上、糖質制限ダイエットをしたからといって脳に必要なブドウ糖が不足するという事態も起こりようがないんですね。
そして脳に必要な血糖は、普通程度にあれば十分です。たくさんあればあるほど、より脳が活発に働くわけではありませんよね。
もしそんな理屈が成り立つのであれば、重症の糖尿病で異常に血糖値が高い人はみんなものすごーく頭がいいはずですから…
万が一の時のための大事なエネルギー源
しかも、糖質制限ダイエットを普段から行っている人の場合、脂肪などからケトン体というエネルギー源を生み出すことにも、脳がケトン体をエネルギーとして利用することにも慣れています。
食事の内容に関係なく、夜間など絶食状態が長く続くときは誰の体内でも糖新生によって糖が作られたりケトン体が作られてエネルギーとして利用されています。
遭難して食べ物が何日も手に入らない時などは、いくら体内で脂質・乳酸・アミノ酸から糖新生が行われるといってもそれだけでは不足することがあります。そんな緊急時に脳はケトン体をエネルギーとして生き延びることができるんですよ。
以前、迷子になり1週間も水だけで無事に生き延びた男の子が話題になりましたが、そういうことなんですね。そのことが信じられない方たちは「誰かがこっそりあの子に食べ物を与えていたはずだ!」と言い張っていたようですがw
それに比べて、普段から1日中糖質たっぷりの食事やおやつや寝る直前にまで夜食を好きなだけ食べるような生活を送っている人だと、必要がないので糖新生の能力が低下していることがあるそうです。
そのような人が遭難など、突然何も食べ物を摂取できない状態に置かれた場合、脳がうまくケトン体を利用できないし糖新生もうまくいかないので、早いうちに低血糖に陥って危険な状態になるそうですよ。
糖質を過剰摂取することのほうが脳に悪影響がありそうです
どちらかというと、糖質制限をすることよりも糖質を過剰に摂取することのほうがヒトの脳には悪い影響があるようです。
ふじかわ心療内科クリニックやゆうメンタルクリニック、ひめのともみクリニックなど、メンタルの病気で悩む患者さんたちに糖質制限指導を行って大きな成果を上げておられます。
メンタルの病気が糖質制限で改善するのなら、糖質の過剰摂取こそが脳に悪い影響を与えると認めざるを得ませんね。糖尿病患者にうつ病が明らかに多いと言うのも頷ける気がします。
先日は穀物を主食とするマウスを使った実験で「マウスに糖質制限させると寿命が短くなった。だから糖質制限は危険だ」という話がありましたが、ラットの実験でサッカリン(甘味料)はコカイン以上に中毒になると言う結果が出ています。
ネズミを使った実験の結果をそのままヒトにも当てはめようと言うなら、糖質中毒によって精神面に悪影響が出るという点についても同じように当てはめなければいけないでしょうね。いかがですか?
ネズミを糖質中毒にすると、やたら攻撃的になって仲間同士噛みつき合ったり実験者の手に噛みついて来たりしたそうです。ヒトでもこれと同じようなことが起こりうるのではないでしょうか。
糖質制限ダイエットを非難する方の中には、とても攻撃的な方たちがいらっしゃいます。それは、生まれつきの性格・特性だけが原因ではないかもしれないのです。食べ物がそうさせてしまったのかも…
安心してください、健康体なら何も起こりません♪
健康な方が糖質制限ダイエットを正しく行っていれば、低血糖にならないので脳へはまったくダメージはありません。もし低血糖になったら、何か病気をお持ちの可能性があるので病院で検査を受けてください。
その上、上手に糖質制限できていると、万が一の時には予備のエネルギーとしてケトン体を利用することにも慣れているわけです。どうか安心して、糖質制限ダイエットを続けてくださいね♪
ただし、心身ともに健康な人がお酒を1日以上飲まなくても何も起こりませんが、アルコール中毒者がお酒をやめると数時間後には手や全身の震え、発汗、不眠、吐き気、嘔吐、血圧上昇、不整脈、イライラ、集中力低下、幻覚、幻聴などが現れるのと同じで…糖質依存症の方の場合、本当に体調が悪化することがあるそうです。
このような方は急に糖質の摂取量を減らすことはしないで、できれば医師の手を借りながら少しづつ摂取量を減らしていくようにしましょう。