糖質制限ダイエットが合わない体質がある?
「私、糖質制限なんてしなくてもちゃんとご飯を食べて脂質制限したほうが痩せるんです」という女性は多いでしょう?実は、よっしーも昔そうだったんです。
脂質制限をして玄米食をして筋トレして、しっかり食べてもスルスル体重が減って「おおっ!やっぱりちゃんと食べるダイエットがいいね!」と思いました。
でもその後妊娠したら妊娠糖尿病になってしまい、いつの間にか2型糖尿病になってしまいましたけどね💦 日本人の場合、肥満と糖尿病は必ずしも関係ないのが辛いところです。
さて「糖質制限ダイエットがうまくいかない、脂質制限ダイエットはどんどん痩せる」というのはいったいどういうことなのでしょう?
一般的にはこのような話は「糖質が合わない体質」「脂質が合わない体質」で片づけてしまいがちです。糖質や脂質代謝に関わる遺伝子変異は、簡単に検査することはできますけど…
肉食動物のライオンやトラに「肉が合わない体質」の個体がいたら大変だろうなぁ…なんて思いつつ、じっくり考えてみることにいたします。
鉄分不足だと糖質しかエネルギーとして使えない!?
私たちが糖質・脂質・タンパク質の含まれた食物を食べても、それらがそのままの形で体内で利用されるわけではありません。
ATP(アデノシン三リン酸)というものが体内で作られ、細胞はATPをエネルギーとして利用しています。
細胞の中にある「ミトコンドリア」はいわば発電所のようなもので、ここで糖質や脂質がATPになります。ブドウ糖の分子1つから最終的に38個のATPが作られます。
しかしこの一連の代謝には各種ビタミンやミネラル、そして鉄分が必要なんです。若い女性には鉄分不足、貧血で悩む方がかなり多いですが…?
鉄が足りない場合、ミトコンドリアでATPを作り出すのがうまくいかないので身体はただ糖質を分解してエネルギーにする方法しか使えなくなります。
このとき、ブドウ糖1分子からたった2つのATPしかできないので非常に効率が悪いです。ちなみに、脂肪酸の場合は78~197ものATPを得ることが出来ます♪
鉄分やビタミンミネラルが足りていてミトコンドリアでどんどん体脂肪をエネルギーに変えていける人はいいのですが、これが出来ない人は非常にしんどくなります💦
糖質しかエネルギーとして使えない人は、糖質制限をすればそりゃ体調を崩しますよね💦 糖質を分解する代謝は非常に効率が悪いとはいえ、それしか使えないからどうしようもない。
そういうわけで、鉄分不足の方は糖質制限ダイエットをしてもきっと糖質が欲しくて欲しくてたまらなくなり、早々に挫折してしまうのではないでしょうか。
そういう方は糖質をエネルギーにするしかないですが、効率の悪いエネルギー代謝経路しか使えないので痩せても体調を崩すのではないかと心配です。
内科医の水野雅登先生の本で読みましたが、鉄分不足の方の中には太り過ぎの方だけではなく、逆に痩せすぎの方もいらっしゃるそうです。健康的な適正体重になれないのには、それなりの理由があるのね。
糖質制限すれば無限に脂質を摂取しても大丈夫?
ビタミンや鉄分をはじめとしたミネラル不足がある方はまずそれを解消するのが大切です。そうしないと、糖質しかエネルギーの材料として使えないからです。
よっしーは若い頃、医師から「貧血気味だね」と言われたことがありました。だから糖質を食べて脂質を制限するダイエットで痩せたのかも💦
ではこの問題を解消して糖質制限さえきっちり行っていれば、無限に脂質を摂取してもどんどん痩せるのでしょうか?
これまで糖尿病の方やそうでない方の例をいろいろ見てきましたが、糖質さえ制限すれば脂質制限なしでどんどん痩せる人とそうでない人がいらっしゃる。
ヒトを含め、肉食動物(ヒトは体内でビタミンCを合成できないので正確に言えば肉食寄りの雑食動物)は肉を食べた時、必要以上の量の脂質は吸収しないような仕組みが備わっています。
でも、もし何らかの理由によりこの仕組みが十分に働かないとしたら…必要以上に脂質を吸収してしまい、糖質制限と言えども痩せなかったり逆に太ることもあり得るのでは?
たっぷり脂質を摂取していると余計な糖質を食べたくなりにくいという利点は大いに利用したいですが、人によっては糖質を制限していても痩せない原因になり得るのは困りますね💦
脂質をどれぐらい摂取しているかを把握するために、栄養計算アプリなどでじっくり記録をつけてみることをお勧めします。そしていろいろ試してみてください。
何らかの原因によって体が必要以上に脂質を吸収してしまっているとしても、脂質を制限しすぎると危険なので、必須脂肪酸を含めて良質の脂質はほどほどに摂るようにしましょう。